NEWS 小説 (ページ19)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:6,489 hit

十七話　手越ページ19

□「手越、どうしたの？コメント言わなかったけど…。」
○「おう、びっくりはしたけど…どうした？」
そうコヤシゲの言葉に迷惑かけたかな？という悔しさが襲ってきてさっきまで堪えていた涙が溢れる。
□「ええ…！手越？」
○「おお…どうしたどうした？」
コヤシゲが慌てて、俺を慰めようとしてくれる。
やっぱり優しいメンバーだね。
と、思ったとき…。
今まで喋らなかったまっすーが少し低い声で「手越」と言った。
この声に俺は肩を震わせた。
低い声でまっすーが何かを言うときは、怒っている証拠だった。
でも、びっくりしたのはそこではない。
そのまっすーの言葉だった。
▽「お前、俺らがお前の体調に気づかないとでも思ったか？」
と言ったのだ。
□「あ、まっすー言っちゃうんだね。」
○「朝から様子が変だとは思っていたけどこんなに体温が高いとは知らなかったよ。すごい熱が伝わってくる。」
慶ちゃんは苦笑いしてまっすーを見る。
シゲは、俺の背中に手を回して擦ってくれる。
その言葉に俺は気がついた。
皆は、俺が深く追求されるのが嫌がる性格と分かっているからあえて言わなかっただけで朝の地点で全員にバレていたのだ。
▽「手越、喉の調子も悪いんだろ？熱もあるし…。寒気もするんじゃない？」
(ああ…どうしてこんなにも分かっちゃうんだろう。優しいんだろう。)
その優しさにさらに涙が溢れる。
まっすーは俺の頭を撫でて、優しく言う。
▽「朝のうちからスタッフさんには手越の体調を言っておいたからスイーツは一個だけにしてくれたよ。今日は皆、この後オフだから大人しく看病されな。」
その言葉に俺は顔を上げてまっすーを見る。
相方の優しい顔に安心したのか…そのまま俺から見える世界が暗くなった。