NEWS 小説 (ページ12)

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十話　小山ページ12

シゲの家に着けば、シゲが家の前で電柱に体重を預けて本を読んでいた。
ハット帽子に黒ふちメガネもかけていて変装のつもりなんだろうけど、全然効果なし。
逆にオーラが漂っていた。
そんなシゲを見て苦笑いしていると、シゲがこっちの存在に気がついた。
笑顔でこちらに手を振って、俺の車に乗り込む。
運転席の俺は振り返り、後ろのシゲと目を合わせる。
○「おはよう。乗せてもらっちゃってごめんな？」
□「おはよ～。全然大丈夫だよ～。ここからロケ地も近い方だからすぐ着くと思うよ。」
○「分かった。」
こうして目を見て挨拶をする行動はデビューしてから自然と身についた。
実は、言い出したのは手越なんだ笑
♡『ねーねー！挨拶をする時は目を見てよ～』
とか…
♡『あ！シゲ、ちゃんと目を見なきゃ！』
○『ああ、悪い。おはよう』などこんな感じで俺らの挨拶は目を見てすることが普通になった。
普通にならなくてもやらなきゃいけないことなんだけどね。
だけど、今まで挨拶をするときに目を見てないってことに気づかせてくれたのは手越だった。
メンバーは、大切さを教えてくれる大切な仲間でもある。
そう実感した出来事だった。
あの会話をしたあとは、シゲが本に視線を戻したので俺も静かに前を向いて車を進ませる。
手越が居れば無理だけど笑、こういう静かな空間も俺は好きである。
信号も引っかかること無く、すぐにロケ地の隣の駐車場に着く。