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前髪 84 ページ10

バレないように教室に入る。







今の授業は体育みたいだ。よかった…








天童さんにあの言葉を言われて、私は賢二郎が『好き』ということに気が付いた。いまだ実感が湧かない。









『ちゃんと謝ろう…。』








小さく呟いた言葉が誰もいない教室に響いた。









「…でさぁー!」









声が近づく。もう体育が終わったみたい。









…1時間目さぼっちゃったな。先生ごめんなさい









男子ここで着替えるだろうし早く立ち去らないと…









次の授業の道具を持って、移動教室へ行こうとした…が。









白布「…!」







『!!』









たまたま賢二郎が通りかかって目が合ってしまった。









勢いよくしたを俯いた。









向こうも通り過ぎてしまった。








非常に気まずい。あっちは真顔だし話しずらい…









『あ…まだ開いてない』









少し早すぎたせいかまだ教室のドアが開いていなかった。









あの先生来るの遅いからなぁ…しばらく待たなきゃか。









しぶしぶ待っていると。









白布「……。」









『!?…いった!』









すぐ横に賢二郎がいて、驚いて尻もちを着いてしまったではないか。









優しいのか賢二郎は無言で手を差し出し、立たせてくれた。









__そして無言は続く__。









白布「なぁ。」









『え?何?』









賢二郎が話しかけてきた。









白布「次の授業が終わったらちょっと来て。」









心臓がドクンと高鳴った。

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作者名:ゆきりんご。 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年6月3日 22時

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