# 初 の 家 出 (兎 s i d e) ページ6
Aを家に送ってすぐ、
Aはすぐに寝てしまった
久しぶりの午後休だったから
どこか連れてってやりたかったんだけど…
自分の仕事の事情で、
Aにはとても我慢させていることが多い
ご飯を作ってくれたり…
バレンタインの時にはちっちゃいチョコを、作ってくれたりして…
あ、今日は確かAが
晩御飯当番だったよな…
一緒に買い物でも行くか…
そう思いAが寝ている隙にシャワーに入った
そろそろ起こそうかと思い、
部屋を覗いてみると…
いない？！
焦って携帯を見ると、何件か通知が来ていた
Aごめん…!寝ちゃってた…!急いで買い物行ってきます…!!
なんだもう行ってたのか…
居なくなっててびっくりした、今晩楽しみにしてるね。帰り迎え行こうか?
それきり返信は来なかった
スーパー着いたのかな、
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…
静かな部屋にチャイムが鳴り響いた
誰だ…こんな時間に…
ｶﾞﾁｬ
「はーい、…」
「って、お前…！」
「この前のキャバ嬢のババア…」
「んぇっ…ババァはなくなぁ〜い??…」
「みゆちゃまだ20代〜♡」
こいつは前担当した事件で出会ったキャバ嬢のババアだ
その時たまたま事情聴取しただけなのだが、
何故かストーカーじみた行為をされている、
気持ち悪い、
さっさと追い返してAを迎えに行こう…
「すまんがお前に構ってる暇は無いんだ、どけ、」
「ぇぇ…??そんな言い方なくな〜い?」
「ほーら♡お邪魔しまーす♡」
「おいっ！はいってくんじゃねぇ…っ」
ﾄﾞｶｯ……
その場に2人して倒れてしまった、
全く…最悪だ
こんなとこAに見られでもしたら…
『たっだいまあ〜！』
いや嘘だろ…
『今日の晩御飯は！なんと…なんと、…』
『って……え……？』
最悪だ
「あっ……」
『あの……えっと、……』
生涯で一番っ、最悪だ
『銃兎兄……』
『もういいよ！銃兎なんか知らない…！！』
「いや！まって……！」
あの悲しそうなAの顔…
あんなの初めて見た…
それから女には帰ってもらい、必死にAを探した…
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作者名：幻路 | 作成日時：2019年10月7日 21時
