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『 1年4組、逢坂 Aです!蛍と忠とは幼なじみです!前は音駒のマネージャーやってました! 』
体育館に入るなり、バレー部の部員であろう人たちはわたしを物珍しそうに見る
今だ、と直感が告げたので、直感を信じ自己紹介をした瞬間、「 逢坂さーん!待ってました! 」と武田先生が走ってきた
「 改めて、烏野バレー部のマネージャーをつとめてくれる、逢坂 Aさんです。 よろしくお願いします。 」
わたしが言うべきであろう台詞を取られてしまったが、誰もそんなことは気にしていないみたいだ
「 ウオーーッッ かわいいッッ 」
「 潔子さんと違うタイプのかわいさ… 妹感が溢れつつもそれだけでは収まらない感じ… 」
坊主頭の人とツンツン頭の人に大袈裟に褒められ、思わず蛍の後ろに隠れてしまう
「 まさかこーんなかわいい子がいたなんて、月島も隅に置けないな〜 」
にやにやしながら灰色髪のチャーミングな泣きぼくろの人が蛍をつつく
「 こんな感じ、慣れてネ 」
わたしの身長に合わせ少しかがんだ蛍が、わたしの頬を撫で、いつもと何ら変わらないポーカーフェイスで告げる。
目の形も変わらない、口角も上がらない、いつものぶっきらぼうな蛍だったけど、優しい目の色だった
「 つ、月島!?!?!? 」
「 月島が………優しい目をしたぞ……………」
「 他人に合わせた!あの月島が! 」
「 合わせたっつっても身長な 」
「 あら月島くん案外に大胆…♡ 」
驚きや好奇が含まれた声が次々と湧き上がる
まあ、無理もないよねと忠と顔を合わせて笑うと 「 ツッキーはAちゃんには甘いんだ 」とみんなに苦笑いを向ける
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納得はしていないけど理解はした、とでも言いたそうなバレー部員の顔を見てわたしが吹き出したところに、コーチだと名乗る人がやってきた
鵜養監督といい、音駒との多少の繋がりがあったそうだ
「 いよいよ明日は音駒との練習試合、今日がその最後の練習だ!気合れてけよ………って、新マネージャーか!武田先生が言ってた! 」
たぶん、いや確実に大事な話を遮らせてしまって申し訳ないという気持ちを込めつつ自己紹介をした
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作者名:ねこ | 作成日時:2022年5月15日 22時