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それからも射的をやったり、アイスを食べたり、校内を見てまわって文化祭を満喫していると、あっという間に時間がすぎていて。
那「Aは他にどっか行きたいとこある？」
『.....私、吉野くんのクラス、行きたいな、、』
那「あっ、それいいね！じゃあ吉野くんのクラス行こっか！」
驚くほど快く受け入れてくれたなっちゃん。
だけど......
那「すっごい人！」
吉野くんのクラスの前の廊下に、人だかりができている。
しかも女の子ばかり。
これじゃあ、クラスの中に入れそうにないなぁ。
那「なにやってるのかな、近づいてみる？」
人混みをかき分けながら前へ進むと、ザワザワと騒がしく声が飛び交う中、聞き慣れた声が耳に届いてきた。
北「おねーさん。俺と遊ばない？」
え....？
顔を上げると、少し離れたところに見えた吉野くんの姿。
廊下前にできた人だかりの中心に立っていたのは吉野くんで、吉野くんが女の子の肩を抱いて、微笑みかけてる。
ほかの女の子たちも、吉野くんの首に手を回したり、腕を組んだりしていて....。
なに、これ.......。
北「いいじゃん、ね、俺と遊ぼ？」
吉野くんの甘い声に、女の子たちから黄色い悲鳴が上がる。
ドクンッ....、と心臓が嫌な音をたて、目の前で繰り広げられる光景から、思わず目を逸らしている自分がいた。
那「A......」
『なっちゃん、行こう.....』
私は逃げるように、人混みをかき分けてその場から走り出した。
でも、走っても走っても、さっきの光景が頭の中にこびりついて、心の中をなにか真っ黒なものが支配する。
吉野くんのあんな姿、見たくなかったよ...。
吉野くんがほかの女の子に触れていることが、どうしても嫌だった。
なんで、こんなに胸が痛いの.......？
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作者名：MINT | 作成日時：2020年2月21日 18時
