俺のこと、好きになって。【吉野北人】 (ページ14)

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振り向かなくてもわかる。

この甘い声、甘い香り.........。

私を後ろから抱きしめてるのは、吉野くんだ。

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柊くんが驚いた顔で、私と吉野くんを見ている。

柊くんに色々説明したいけど、私も心拍数がすごいことになっていて、それどころじゃないんです。ごめんなさいっ.........！

『よ、吉野くん..........っ？』

な、何が起こってるの！？

突然のことに私はもうパニック。

北「そういうことだから。じゃ。」

吉野くんは涼しげにそういうと、私の手を引き、廊下を歩き出す。

廊下にいる吉野くんファンらしき女の子たちが、こっちを見て｢きゃあああああ！｣と高い声で叫んだ。

柊「Aちゃん！！」

それと同時に柊くんが私の名前を呼んだけど、ずんずん歩いてく吉野くんに手を引かれているせいで、『柊くん、また明日......！』と答えるのが精一杯だった。

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校門を出たところで吉野くんがいきなり立ちどまり、私もつられて立ち止まる。

『吉野くん......？』

吉野くんは、何が起きたかわからないままでいる私の方を振り返ると、私のおでこをコツンと小突いた。

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北「ばーか.......」

『え？』

北「Aちゃん、隙ありすぎ。ほんと焦る......」

そうつぶやく吉野くんは、昼休みの余裕のある感じとは正反対。まるですねた小さな男の子みたいで

『へ.....？』

隙なんて、あったかな、、？

友達が出来て、浮かれてた？だとしたら気を引き締めて生活しなきゃ！

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『これからは気を抜かないように頑張るよ！』

北「.......うん。絶対意味はき違えてるけど、まぁいいや。Aちゃんだしね」

そう言って吉野くんは眉を下げて笑い、クシャッと私の頭を撫でた。

なんだかよく分からないけど、吉野くんが笑ってくれたからいいや！

それに、頭を撫でられると、なぜかドキドキして嬉しい。

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北「さ、行こっか。デート！」

『デ、デ、デート........！？』

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