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それからあっという間に時間は過ぎて、放課後。
なっちゃんは所属するハンドボール部の部活に行ってしまい、私は1人教室で教科書を片付けていた。
私は入学が遅れたこともあって、タイミングを逃して部活には所属していないけど、そういえば吉野くんはなにか部活に入ってるのかな?
そんなことも、これからの時間で聞いてみたいなぁ。
吉野くんと遊びに行くっていう約束があるから、実は授業中もドキドキしていたり。
休み時間に数回交わしたメールで、待ち合わせの場所は校門前と決まっている。
そういえば、遊びに行くって約束してるけど......一体どこに行くんだろう。
そんな事を考えながら、バッグを手にして校門に向かおうとした時、ちょうど廊下を歩いてした人と ドンっ!! と衝突して、その衝撃で私は勢いよく尻餅をついてしまった。
『いたたた.......』
「ごめん!大丈夫!?怪我ない!!?」
『は、はい........』
腰をさすりながらそう答え、顔を上げると、そこには焦ったような表情でかがんだ男子がいた。
サラサラな黒い髪に、ぱっちりと大きい目。ほどよく日焼けした肌が活発な印象を与える、そんな、かっこよくて爽やかな男の子。
この人、たしか同じクラスの男子だったはず......。
だけど、ごめんなさい!まだ全員のこと把握できてないから、お名前がわからないです.......っ。
「立てる?」
心配そうな顔で、その男子が手を差し伸べてくれる。
『あ、ありがとうございます.......』
私は遠慮がちにその手を握り、立ち上がった。
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男子を見上げると目が合って、彼は眩しいくらいの笑顔をこちらに向けた。
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作者名:MINT | 作成日時:2020年2月15日 1時