17 ページ17
.
『吉野くんは、何頼む?』
しばらくメニューを見つめていた吉野くんに聞くと
北「いや、俺はコーヒーでいいや」
『えっ、なんで?ケーキもシュークリームもおいしそうだよ?』
北「うーん、なんとなく?」
吉野くんはそう言ってるけど、もしかしたら甘いものが苦手なのかもしれない。
だってこのお店で甘くないの、コーヒーだけだもん。
そのことに気づくと、急に吉野くんに申し訳ない気持ちになる。
.
.
北「ん?どうしたの、急にしおらしくなって」
私の異変に気づいたのか、吉野くんの優しい声が聞こえてきた。
『だって........吉野くん、甘いの苦手なんでしょ.......?なのに、このお店入ってよかったのかなって......』
私ばっかりいい思いをさせてもらって、なんだか申し訳ないよ......。
自己嫌悪に陥り俯く私の頭に、何かが当たった。
そしてそのまま、頭をぐしゃぐしゃーっと撫でられる。
頭をあげると、吉野くんの手が私の頭へと伸びていた。
.
『吉野くん.....?』
北「そんな顔しないで?俺がただ、Aちゃんにこのお店のシュークリーム食べさせてあげたくて連れてきただけなんだし。だから余計なこと気にしないで、笑って?」
吉野くん、やっぱり優しいな......。
でも、なんでこんな優しくしてくれるのかな.....。
今日出会ったばっかりの私に......。
.
1068人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MINT | 作成日時:2020年2月15日 1時