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知らぬ間に__ エース・トラッポラ ** ページ12

頭が割れそうなほど痛い、季節の変わり目で偏頭痛が酷い。


さらに言えば同時に生理も来ているため余計辛く、今日は保健室で過ごそうかとも考えた。


流石にそれはダメかと思い、体力育成の授業以外は出席することにした。


「 最後の最後に錬金術かよー、それもAクラスと合同って、知り合いいねぇよ 」


ギャーギャー喚く男子たちに苛立ちを覚えつつ、さらに酷くなる頭痛に耐えながら壁つたいに教室へと向かう。


すると後ろから聞きなれた友人たちの声がし、振り向くと誰が見ても分かるくらい眉間にシワを寄せて怒るエースがいた。


「 なあ、お前体調悪いならなんでもっと早めに言わねぇの?

俺にだけでもいいから言えって何度も言ったろ 」


「 う…ごめん、でも単位落としたくなくて…
これ最後だし大丈夫だよ 」


なるべく心配をかけないようにしようと思いそう返せば、不満げな顔で、次の授業バディになれと言われたので、合同の時はいつもじゃんと思いつつ頷く。


「 いいか、仔犬ども
今回の授業は特別な物は使わないが、今までしてきた基礎の応用とでも言えることをする

安全を確保しつつきっちりと課題をクリアしていくように 」


頭の中で鐘が鳴り響くような感覚に襲われつつも先生が出てきた課題をエースとにらめっこしながらクリアしていく。


彼は要領がよく、突然の応用問題も難なくクリア、先生から私たちは全課題を終わらせたため、他に苦戦してる生徒たちを見てやれと言われた。


しかし、私の頭痛が限界まで来ているのを察していたエースがそれを断った。


「 こいつ授業始まる前からすっげー体調悪そうだったんで保健室連れて行ってきまーす 」


語尾をのばし緩く先生にそう言うが、私の表情を見た先生からお咎めの言葉はなく、無事私たちは保健室へ行く事が出来た。


エースに支えられながら保健室のベッドに横たわった私は彼にお礼をまともに伝えることさえ出来ないまま、安心感からか眠りに落ちてしまった。


あれからどのくらい時間が経っただろうか、自身の体が揺れているような感覚で目を覚ませばエースが私をおんぶして歩いているではないか。


申し訳なさより驚きが勝ってしまい、つい大きな声を上げてしまう。


「 お、起きたかよ眠り姫

人の耳元であんまでっけー声出すなよな 」


「 あの、え…っと、ごめん…
これどういう状況…?」


「 お前を寮まで運んでやってんの、感謝しなよね 」


「 ありがとう… 」

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むつき - 私も重いの好きです! (2021年8月12日 11時) (レス) id: afe8b336e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:人参ぱんつ | 作成日時:2020年10月5日 23時

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