3話 ページ4
花子さんは呆れたように溜息をつき、私の頭に手を乗せ、分かったと言ってくれた。
喜ぶ私を横目で見て、先程遮ってしまったであろう事を告げた。
「 ヤスミももう気づいてると思うけど、ヤシロの寿命と入れ替えた後、君はすぐ死んでしまう
ヤシロは怪異も見えなくなって平穏な日常に戻るかもしれない、でもヤシロは本当にそれを望んでると思う？」
「 いいの…ただの自己満足だから
これで恨まれたりしても仕方ないもの、生まれつき寿命が見えて、ずっと流されっぱなしなんて切ないじゃない…
せめて、この能力で救える命救ってあげなきゃ、生まれてきた意味すら見いだせなくなっちゃうでしょ…？」
零れそうになる涙を一生懸命食い止め、下手くそに微笑んでみる。
花子さんは後日寧々ちゃんと一緒にここへ来て欲しいと言い、その日は帰宅した。
次の日の朝、私は大好きな親友の後ろ姿を見つけ、小走りで近づき
「 おはよ、寧々ちゃん！！
あのね、今日の放課後少し用事があるんだけどいいかな？」
と声をかけた。
彼女は少し戸惑いつつも、少しだけなら！と快く了承してくれた。
長かった授業も終わり、旧校舎3階のトイレに2人で行った。
途中寧々ちゃんは、引き返そうだの、トイレじゃなくてもよくない？だの何かと理由をつけて旧校舎のトイレに行きたがらなかった。
花子さんがいるからこんなに引き止めてくれてるんだろうなーとか呑気なことを考えていれば、すぐ目の前にトイレが迫っていた。
しかし、トイレ付近で寧々ちゃんと仲のいい中等部の子と先生が何やら揉めているようだった。
「 そんなのおかしいっすよ！」
「 …どうかしました？」
面倒事にあまり首は突っ込みたくない主義だが、なんせ寧々ちゃんの後輩だ。
仕方なく声をかけ、話を聞く事にした。
「 あーっと…、あ、先輩！！
いいところに！！！
この人俺の担任なんですけど、ひでーんすよ！」
こいつ私を見たあとに寧々ちゃんに気付いて答えやがった。
私の事はお呼びじゃないってか？？？
ふざけてんな、絶対助けてやんないし。
そもそもよく分かんないピアスしてる時点で寧々ちゃんと絡むの辞めて欲しい。
ただでさえ私とアオちゃん以外と話してるって思うだけでイライラするのに…。
とか思ってたら、昨日寧々ちゃんが図書室で突進したらしい先生に謝ってた。
その先生が彼にお願いしたのは、女子トイレに入らないでほしい。との事だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
