28話 ページ30
困惑した顔で笑う彼女に「 ごめん、寝惚けてたかも 」と言えば、だよねー！とホッとしたような表情を見せた。
私はただ寧々ちゃんに " 幸せになって欲しい " そう願っただけなのに。
次の日の放課後、私は花子さんの元へ行き、寧々ちゃんが何も覚えていないことを話した。
彼は少し暗い顔をした後に、そうだろうね。とわかっていたような口調で話すため、どういう事だと問いただした。
「 俺がヤシロの記憶を消したよ、幸せに生きて欲しいなら怪異なんかと関わらない方がいいってのはヤスミも気付いてただろ？」
「 でも、こんなのって…、寧々ちゃんも花子さんもお互いが好きだったんでしょ！？」
「 いいんだよ、それに、これからはヤスミがヤシロの代わりにトイレ掃除とかしてくれるだろ？
これが俺とヤスミ、そして少年が望んだ結果さ 」
悲しげにそう言う花子さんに一言謝罪を入れ、今日は帰ることにした。
光くんの事も忘れてるんだろうか、私が余計なことをしたばかりに私だけじゃない、他の2人の幸せまで奪ってしまったなんて…。
帰宅途中、なぜか突然胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
でもこれでいいと願ったのは私なんだ、家に帰りすぐさまお風呂場へ行きシャワーを浴びた。
シャワーと共に流れていく涙は枯れることを知らなかった。
髪の毛を乾かし、自室に戻りベッドの中で色々と考え込む。
気付けば朝になっていた。
いつの間にか寝ていたのか、全く眠れなかったのか、どちらとも言えない状況のまま支度をし、学校へ向かった。
「 アオちゃん、寧々ちゃんおはよー 」
へらへらと手を振り、親友たちの元へ。
「 あ、おはよー、Aちゃん！」
「 え、隈やばいよ！？
保健室行った方が… 」
寧々ちゃんがそう言った時、廊下から私を呼ぶ土籠先生の声が聞こえた。
2人に行ってくるね、と声をかけて先生の後を歩き、理科準備室についた。
「 先生こんなとこに呼び出してどうしたの？」
別に悪い事をした覚えもなく、純粋に尋ねれば、どうしたもこうしたもあるか！と大声を出された。
「 お前と八尋の未来が変わった、一体何をやらかしてくれた 」
「 え、何の話…、未来が変わった…？
私たちの何が変わったの？」
「 は？え、お前まさか… 」
土籠先生が何かを言おうとした時、ふわっと私の体が何かに包まれた。
慣れない感覚に後ろを振り返れば、そこには密かに想いを寄せているトイレの花子さんだった。
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
