22話 ページ24
花子の言葉に目を見開き、信じられないと言った表情の光。
「 じゃあ、何で安見先輩は…！？」
「 …あの子はヤシロの寿命を知っていた
俺よりも早く…ね、そういう能力を持ってたんだ
生まれつき生き物の寿命が分かる能力、可哀想だよね
今まで何も出来ずに生きてきたんだって
ミライに触らせたくなかったのは俺のエゴさ、今寝かせているのはきっと自分を責めてしまうから 」
悲しげに説明する花子に光は、お前はいつから分かってたんだと下唇を噛みながら聞くと、また何ともないような顔に戻って、初めから知ってたと答えた。
そして、光に更に追い打ちをかけるように言葉を続けた。
「 言っておくけど、俺と縁を結んだせいじゃないよ？
元々そういう運命だったんだ
そもそも俺を呼び出せるのは彼岸に近い存在だけなんだよね
例えば少年のように、生まれつき霊力が強いとかー…、そうでないなら、死期が近づいてる…とか 」
花子は寧々とAが自身を呼び出した時のことを思い浮かべながら話した。
取ってつけたような笑顔に誰も気付くことなく、光はその表情を指摘した。
花子はそれを聞き、光へ顔を近づけ、じゃあどんな顔をすればよかったの？と聞いた。
「 もうすぐ君は死んじゃうけど、最後まで精一杯生きてね！
とか…言えばよかった？
少年が俺をどう思ってるのか知らないけど…、俺はもう死んでるんだ
だから今更誰が死ぬとか生きるとか、どうでもいいんだよね 」
膝を着く光の前にしゃがんで、にこっと笑う花子に光は胸ぐらを掴み
「 本気で言ってんなら許さねぇぞ！！」
と怒鳴り散らした。
その時の花子の目はとても冷たく、まるで話し相手にならないとでも言うかのような目だった。
そんな2人の会話を胸糞悪そうに聞いていた茜は、痺れを切らしたのか、口を挟んだ。
「 源後輩、怪異ってのはそういうもんだよ、僕らとは決定的に違う存在なんだ
そいつは君のことも八尋さんのこともAさんのことも何とも思ってないのさ 」
「 でも俺なりに色々気を使ってあげてたんだよ？
ヤシロが楽しく余生を生きられるように、これまでも…これからも…
ヤスミも同じ事を思ってたみたいだよ
生きてる人間ですら同じ事を思うんだから俺たち怪異が何か出来るわけないじゃん
ねっ？」
そう光たちに笑いかける花子の手元にはいつ奪ったのか、雷霆杖が握られていた。
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
