20話 ページ22
「 ミライちゃんって何か弱点とかってないの？」
その問いに茜くんは、全く参考にならない答えを出した。
1つ、頭が悪い。2つ、食い意地が張っている。3つ、毛繕いが好きで素早い。4つ、とにかく頭が悪い。
「 何一つとして参考になってませんけど？」
「 うるさい黙れ 」
辛辣だなぁ…と花子さんたちの方へ案を聞きに行こうとした時、花子さんから私と光くんに声をかけてきた。
「 少年、ヤスミ、ミライって時計守なんだけど…
ヤシロがあの子に触られないようにして、絶対に 」
そう言われた時、何故触られていけないのかをすぐに察してしまった。
力強く頷き、光くんは、何故触られてはならないのかを問いただそうとするも、ひょこっと後ろから現れた寧々ちゃんによって、聞くことが出来なかった。
「 寧々ちゃん…、その作戦天才的だよ！！」
「 じゃあ早速作戦に移りましょ！」
そう、寧々ちゃんのミライ捕獲作戦とは、廊下に飴玉を置いて周り、どこかの教室の奥の方まで誘き寄せる。
そして、その飴玉に釣られたミライを光くんの力で捕まえるというものだった。
私たちはもっけちゃんたちを抑えながらミライが来るのをひたすら待った。
しばらくして、廊下からバリバリと飴玉を噛み砕く音が聞こえ、みんな息を潜めて身構えた。
そして最終地点に置いてあった飴玉を手にした瞬間、雷でできた檻で私たちを含め、ミライを包んだ。
教室の隅に置いてある段ボールがガタガタと音を立て、私たちは登場した。
「 やっと捕まえたわよ！」
寧々ちゃんのハムスターが脱走した時の心得がなければミライを捕まえることが出来なかったため、寧々ちゃんと、雷の檻を作ってくれた光くん、そしてその檻の時間を止めてくれている茜くんに感謝した。
「 みんな凄いねー！
私ただもっけちゃんたちにほかほかにされてただけだったよー 」
ヘラヘラ言えば、もっけちゃんたちがいきなり、ほかほかにして殺すとか物騒なこと言い始めたので、つい真顔に戻ってしまった。
茜くんがミライを捕まえて、何か話をしている時、茜くんの手からミライが抜け出し、私たち…否、正確には寧々ちゃんの近くにいた。
「 じゃあ最後に……、お姉ちゃんをかっこよくしてあげる 」
「 しまっ…！
やめて、やめて、お願いだからやめてぇ！！！！」
私の願いも虚しく、ミライによって時を進められてしまった寧々ちゃんは、姿が変わることはなく、その場に力なく倒れ込んだ。
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
