検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:38,614 hit

1話 ページ2

寧々ちゃん、花子くん、光くん。
みんないつも仲良しで少し羨ましかったな。


私なんかが入っちゃいけないような気がしてたけど、みんな優しくて居心地よかったなー…。


花子くんと光くんは寧々ちゃんに想いを寄せていて、恐らく寧々ちゃんはタイプじゃないと言いつつも花子くんを想ってる。


ここだけの話、私も密かに花子くんに想いを寄せていた。


今になって思うけど、花子くんを呼び出したのもただの自己満足で、寧々ちゃんのためではなかったのかななんて思う。


生まれつき私は生きてるものの寿命が見えた。
最初はなんの数字か分からなかった。


自分の場合は左の内手首に、何年 ・ 何ヶ月残ってるか見える。
他の人は心臓がある所に、何年 ・ 何ヶ月 ・ 何日残ってるかわかる。


自分の寿命3年分と引き換えに時間や秒数、死因までは特定出来る。
基本的に負担が大きいから使わないけど。


初めて会った時から、寧々ちゃんの寿命は短かった。


中等部の段階で残り3年10ヶ月6日しかなくて、最初は余生を楽しく過ごしてもらうためにたくさんお話した。


でも、どんどん仲良くなっていく度に減ってく彼女の寿命に居た堪れない気持ちになって何度変わってあげられたらと願ったことか。


目の前で無邪気に親友と笑うあの笑顔を見れるのも残り1年を切った頃、彼女の身の回りに変化が起きた。


まずは独り言が増えた、恐らく彼岸に近くなったせいか、この世ならざるものの姿が見えているのだろう。


次に旧校舎のトイレに放課後毎日寄るようになったし、中等部の男の子ともどんな繋がりで仲良くなったの?ってくらいほぼ毎日一緒にいる。


最後、隠せてるのかもしれないけど見えてる、あなたの周りに付きまとってる白い人魂。
それはあなたを守ってくれてるもの?
それとも…


と、まあ、友だちの命の危機が迫ってきている中、この学園では不可解なことが起こるようになっていた。


まあ、ぶっちゃけると私には関係ないし、もっと大事なことがある。


もしかしたらそれをあなたは望んでいないかもしれない、でもあなたが生きることを望んでいる人が少なくともここに( 私が )いるよ。


旧校舎3階の女子トイレ、3番目の扉を3回ノック、そして___


「 花子さん、花子さん、いらっしゃいますか…?」


友だちのためとは言え、未知のものに縋るなんて自分らしくもないし、寧々ちゃんじゃなければこんな怖いこと絶対しなかった。

2話→←設定( 飛ばしてもOK )



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます! (2020年8月21日 18時) (レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:人参ぱんつ | 作成日時:2020年4月22日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。