検索窓
今日:31 hit、昨日:60 hit、合計:300,022 hit

ページ6

「うわっ!風つよ!」
「Aが言ったんじゃん。風が巻いてるから帆をあげよう って」
「え、あー、うん」

(…レオリオ達から離れたかったってのが1番の理由なんだけど)

乾いた笑いをする少女をよそに、黙々と帆をあげて行くゴン。そんな様子を見て、少女も作業に取り掛かった。



作業を少ししてから客室の扉が開く。出てきたのは、眉間に皺を寄せ今にも喧嘩を始めそうなレオリオとクラピカ。

「あいつら何して…」
(…まさか、喧嘩?)

少女の予感は的中し、レオリオはナイフを、クラピカは木刀を構え、向き合い始めた。

「あのバカ共……!」

少女にとってクラピカは冷静沈着であり、感情を表に出さないタイプの人間であった。しかしそれは大いに外れる。彼は胸の内に秘める炎を隠し通せる程大人では無かった。

少女は止めようと駆け出したが、突如上がった悲鳴に動きが止まる。

「うわぁぁぁあ!!」
「カッツォさん!!」

レオリオとクラピカの間を乗船員らしき男が飛んでいき、海へと落ちようとしていた。

それに続いて少女の視界に入ったのは、ゴン=フリークスであった。

「あのバカ!!」

レオリオとクラピカに向けた『バカ』よりも、更に強い気持ちを込めながら叫び、ゴンの後を追う少女。少女は船を飛び越え、ゴンの足を掴んだ。

そして目の前には、暗く荒れ狂う波。

(……あの時と一緒だ! 何がバカだ。バカは私じゃないか!!)

サッと顔から血の気が引いて行くのを感じながら、少女は目をつぶった。直後、少女の足首に大きな衝撃が走り、3人の動きが止まる。



「!お前ら…!!」

「話は後だ!引き上げるぞ!!」

レオリオの力強い声と共に、ゴンとカッツォ、そして少女は引き上げられ、事なきを得た。



「このボケ!!俺らが足を掴んで無きゃ、お前ら今頃海の藻屑だったんだぞ!!」
「全く、無謀極まりない。」
「…お前らだって喧嘩してたじゃん。」
「ねっ」
「何か言ったか」
「なんでもないデス」
「ご、ごめんなさい。」

嵐を抜けた晴天の下ありがたいお説教を受け、少女の顔は立派に不貞腐れる。

「…でも、俺達のこと助けてくれたじゃん!2人してさ!」
「そ、それはそうだが…」

にひひと笑うゴンに呆気に取られ、釣られて笑い始める2人。

(ゴンのこういう所に適うやつなんか居ないよなぁ…)



笑う3人を見つめながら、少女も少し笑みを漏らした

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (211 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
431人がお気に入り
設定タグ:イルミ , ヒソカ , HUNTER×HUNTER
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かぴばら2(プロフ) - クロムさん» 遂にバレた!!!そうです!DINARです!!初めて見た時にすげぇー!!やらせてぇ!!と思って衝動的に書いてしまいました…。今見るとすごく拙くてツッコミどころが満載なのでいつか書き直したいと思ってます…。コメントありがとうございます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - スカルジャック? (2021年4月29日 9時) (レス) id: 11c6fe3903 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - ピポ助さん» ひぃ…コメント今気づきました遅くなって申し訳ないです! やっぱりイルミは病んでないと始まりませんね!これからも頑張ります! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメント失礼します!イルミのヤンデレ具合が最高に好きです…!これからも頑張ってください!! (2019年9月3日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 名無しさん» 大変永らくお待たせしました!またふらっとふわっと消えてしまうかも知れませんが、どうか御容赦願います。暫くは更新し続けたいと思っています! (2019年7月5日 1時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2018年6月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。