初めまして、キヨくん【キヨ】 (ページ20)

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「フジ！物理の教科書貸してくれ！」

バンッと開いたドアからキヨ、
俺はまたかよと苦笑いしながら机の中を探す。

「はいどうぞ、破らないでね」

「さんきゅ！今度なんか奢るわ！」

嵐のように来て去って言ったキヨ、

「あれは何かいいことあったな」

フジ～とヒラの声をきいて俺は次の授業の準備をした。

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『今日の私やばいかもしれない』

スラスラと絵を描く手が進む。
こないだのスランプが嘘みたいに、

「何かいいことあったの？」

とひょこっと出てくるフジにびっくりして
びょあっ？！という変な声が出る

「ちょっ…ふっ…」

『フジのせいなんですけど』

とじとっとした目でフジを見るとフジは
ごめんごめんと私の頭を撫でくり回す。

『髪崩れる！！』

「なに、キヨと話せたとか？」

ドンピシャな質問に顔に熱が篭る。

『お前はエスパーか』