今までも、これからも (ページ40)

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楽曲提供 ② ページ40

A視点

最初、曲を作ってくれと言われた時は戸惑った。
本当に自分でいいのか、他に適任がいるのではないか。それでも俺を信じて頼んでくれたのなら、それに応えたかった。
人数が多く、何度も歌詞割りに頭を悩ませたが、そこで妥協したくなかった。ファンの子はきっと、自担の歌っているところをしっかり見たいだろうから。

｢Aさん、この部分なんですけど、、｣

｢あ、Aさん！俺も後で聞きたいところあります！｣

目の前で各自練習する後輩たち。疑問に思ったところは直ぐに聞きに来て、自分の解釈と一致させながら作り上げていく姿に感心する。

｢なんかAさん嬉しそうっすね｣

いつの間にか隣にいた北斗に、浮かべていた笑みを更に深める。

『君たちが真剣に向き合ってくれて嬉しいねん』

｢なに言ってるんですか。Aさんが作ってくれた曲ですよ？真剣になるに決まってるじゃないですか！｣

｢俺ら絶対にAさんを驚かせる程、完璧に歌うんで！｣

近くで一緒に練習していた大我と阿部が軽快に笑う。
流石、俺の可愛い後輩たちだ。

『ふふ、楽しみにしとるよ。じゃあ、俺は仕事があるで行くわ。なんかあったら電話してな』

後輩たちに手を振り、部屋から出て仕事に向かう。
あの子たちのおかげで次の仕事も頑張れそうだ。