今までも、これからも (ページ39)

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楽曲提供 ① ページ39

岩本照視点

｢俺らに、ですか？｣

『正確に言えば、SixTONESとSnowManに、やな』

目の前でニコニコと笑うAさんの手には、大量の紙。
数十分前、突然俺らSnowManとSixTONESが集まることになり、なんだなんだとザワザワしているとAさんが来た。
Aさんが言うには、俺らとSixTONESのコラボで曲を出すことになったらしい。しかも、その曲はAさんの書き下ろしなんだと。

｢こんな事ってあるんやなぁ｣

｢まさかSnowManとコラボなんてね。楽しみだ｣

｢しかもAさんの作った曲！早く聞きたいです！！｣

康二と髙地と佐久間が嬉しそうに話す。他のみんなも、顔が明るい。
SixTONESとコラボで歌を歌えて、その曲はAさんが作った。俺らにとってこれ程嬉しいことはない。他のグループに羨ましがられるだろうなと、思わず笑ってしまう。

『歌割りもこっちで決めさせてもらったんだけど、変えたい所とかあったら言ってな』

そう言って渡された紙を見ながら、音源を聴く。
歌詞を見るからにAさんらしさのある優しく包み込む曲かと思いきや、音は結構激しめだった。
俺らっぽさとSixTONESっぽさを組み合わせた結果なのだろう。それにしても、詞とメロディーの雰囲気が正反対なのにここまで聴き心地がいいとは。流石Aさんだ。

｢歌詞割りすげー、、｣

｢めちゃくちゃ平等じゃん、、｣

樹とふっかがポツリと呟く。俺ら、、特にSnowManは人数が多いから、歌詞割りが少ないメンバーもいる。今まで歌わせてもらった曲も、嘘でも平等とは言えないだろう。
しかしAさんの曲は全員が平等だった。

全員で歌うところ、ソロ、ハモリ、ラップ。
俺らのファンが全員喜んでくれるようにと忙しい中考えてくれたのだろう。

『どう？変更したいところある？』

首を傾げて俺らに聞くAさん。35歳でそれやっても可愛いのは流石だ。先輩に対して申し訳ないが、めちゃくちゃ可愛い。守りたい。

｢俺は特にないっす！早く練習したいです｣

｢僕もです！披露する日が待ち遠しいです｣

慎太郎とラウールが嬉しそうに笑い合い、Aさんに言う。
それに続いてほかのメンバーも｢特にない｣という為、じゃあ早速練習やな。とAさんはまるで少女のようにくすぐったそうに笑った。