今までも、これからも (ページ38)

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昔の話ページ38

横山裕視点

『この後、メンバーとご飯なんですよー』

そう嬉しそうに話すAを見る度に、安心する。
あぁ、ちゃんとこの子はメンバーからも愛されているのだと。もう、あんな事は起きる筈がないと。

｢良かったなぁ。大倉に見つかる前にはよ行きや｣

『あはは、じゃあ、お疲れ様です！』

Aと別れたのと同時に、村上が来た。
仕事終わりなのか、少し疲れた様子だがAには手を振っていたからまだ余裕だろう。
この前疲れすぎたのかAのこと抱きしめて離さなかったでな。

｢お疲れやな｣

｢おぉ、横。お疲れ。この後は何もないからまだマシや｣

｢せやろな。お前がAに抱きつきに行ってたら全力で止めたわ｣

｢今から飯なんやろ？そんなことせんって｣

いやこの前のA、今から仕事やって時やからな？？
飯の時よりタチ悪いで。

｢相変わらずAはメンバーと仲がええなぁ。ええことやわ｣

｢そうやな｣

｢、、まだ、あの時のこと気にしてんのか？｣

心配そうに俺を見つめる村上に、いや、と否定した。

｢Aがももええって言ったんや。今更やろ｣

｢まぁ、それもうやけど｣

｢それに、今のあいつは強いで？どんだけの奴ら敵に回すと思ってんねん｣

そう笑いながら言うと、ガハハと盛大に笑う村上。

｢それもそうやな！！今のAは無敵やで！｣

そう。Aは大丈夫だ。あの時の比にならないくらい、沢山の人たちから守られているから。あの日、相方に裏切られたAの顔はいつまでも忘れられないし、病院のベットで横たわるAをもう二度と見るつもりはない。

｢Aを傷つける奴は許さん。皆そう思っとる。だから、不安なんてないよ｣

あの子は俺らで守る。
それは、俺らの中の暗黙の了解やからな。