電話 ページ14
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万次郎が寝たのとほぼ同じタイミングでケータイが鳴った。
わたしの着信音ではない。
と、なるとコイツのだろう。
ディスプレイにはケンチンの文字。
ケンチンという名前には聞き覚えがあった。
そうだ、コイツの友達だ。
ケンチンケンチンと嬉しそうに話してたのを思い出した。
なんて話してたかなんて覚えてないけど。
万次郎が寝たし、迎えにでも来てもらおう、と思い通話ボタンを押す。
「おいマイキー!テメェから今日集会やるって呼び出しといて、テメェは来ねぇんだよ!」
と、怒鳴り声が聞こえた。
『ねぇ、アンタがケンチン?』
「あ?誰だオメェ。」
『先にわたしが聞いてんだけど。アンタがケンチン?』
あー!もう!とキレながら男は答えた。
「そのアダ名で呼ぶんじゃねぇ。つか、マイキーは?」
『はぁ?マイキー?誰それ。つか、アンタ万次郎の友達だろ?コイツ今寝てんだけど。』
万次郎がマイキーだ、と教えてくれた。
「アイツまた寝てんのか。今どこだ?」
場所を伝えると、わかったすぐ行くと言われ電話を切られた。
数分後、ケンチンらしき人が来た。
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作者名:もあ | 作成日時:2021年6月9日 12時