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まだ微睡む世界の中で、



カラスと思しき鳴き声が聞こえた。




まぶたの裏からでもわかる明るさに思わず顔をしかめて、




時間を確認しようと頭上の置き時計を

手探りで探す。









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......ない、。




壁に手がコンと当たって痛くなっただけだった。







こんなに壁と距離が近かっただろうか、





なんてふと違和感を感じると、



意識は瞬く間に広がっていく。




あれ、こんなにマットレス柔らかかったっけ?




なんだか布団も重みを増している気がする。




あれ、あれ、と頭の中で繰り返してからやっと重たい目を開けると、見慣れない景色。








驚いてばっと上半身を起こしたらその全貌が見えた。









コンクリート打ちっぱなしの壁に



明るい色のフローリング。





私が寝ていたのは黒いベッドで、




右手の大きな窓の下には、









、同じ布団から覗く、艶やかな黒髪。







思わずびくっとしてザッと音を立ててしまったけど、目を覚ました様子はない。





もうなんとなく見当はついているけれど



そーっと布団をめくってみる。









天使のような、寝顔だ。



長い睫毛を伏せて、微かに口を開けてすぅすぅと寝息をたてている。







やっぱり、彼だったか。








起こさないように気をつけながらもう一度布団を元に戻して、





とりあえず自分は温もりから這い出た。






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作者名:みりん x他1人 | 作成日時:2019年6月8日 1時

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