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照明で照らされた窓一つない部屋。

真っ白い壁と天井。床には空になったペットボトルや、使用後の丸められたテッシュが転がってる。

換気が一切されていない室内には何処となく重い空気が漂っていて、それがまたシンジの気分を沈めた。

彼がカヲルの部屋に泊まり込んで丸一日。

その間でシンジが知ったのは、カヲルが意外にも雑な性格をしている事だけだった。


残念なイケメン…、とでも言うべきか。

これを言うと自分で腹が立つが、カヲルは顔がかなり良い。
これでもし常識的な性格をしていて、さらに部屋が綺麗に掃除されていれば…、きっと女子からモテる事間違いなしだ。


そんな彼はシンジの横で雑誌を読んでいた。呑気に鼻歌を歌いながら地面に直に座り、ベッドに背を預けている。

その顔には何時ものような涼しげな表情が浮かべられていて、シンジは心の奥底で望ましいと微かに思った。
だって命懸けで戦って、大切なものを次々に奪われていくのだ。
綾波は死んだかもしれない、アスカはベットで寝たきり。

きっと顔にそんな暗い気持ちが現れていたのだろう。


「昨日のこと、気にしてんの?」


顔は動かさず視線だけ向けて、唐突にカヲルは問いかけた。それを聞いたシンジはあまり深く考えずに、心ノのことか。と思う。

過呼吸の時の朧げな記憶の断片、その中にいる心ノの姿。愛想を尽かしたようにそのまま去っていった、彼女の行動。


「別に…、気にしてない」

一瞬間を置いて、不思議そうになんで?と返事がきた。シンジの返事が予想外だったのだろう。


(なんでって…)
そうシンジは促されるように思考を深める。

エントリープラグの中にいた時、彼には確かに心ノと話した覚えがあった。
いまだに耳にこびりついて離れない、まるで呪いのような言葉。


〈君が逃げなければ、こんな怪我しなくて済んだのに〉

もちろん現実ではない。

が、きっとあれが心ノの本音なんだろう。シンジはなんとなく確信していた。
そう思うとただ恐ろしくて、彼女の腕に赤い線が増えたのも僕のせいなんじゃないかって。

「…嫌われて当然なことをしたんだ…僕は」

むしろ、今まで仲良くしてくれた事の方が不自然だった。
僕のせいで、彼女の心と身体両方に一生癒えない傷を残したのだから。

ただ、この前の戦闘の時にまた出遅れて。それで彼女が吹っ切れたってだけで。

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アオウサギ(プロフ) - 更新お待ちしております!!!!!!!ー! (9月7日 17時) (レス) id: 8561e7888e (このIDを非表示/違反報告)
ゆわ(プロフ) - はじめまして。コメント失礼致します!わたしは1年ほど前にエヴァにどハマりし、また、今再熱したので占ツクで小説を探していたところこちらの作品を見つけました。はい様の文章表現やストーリーがとても好きです。続き楽しみにしております! (2023年2月16日 13時) (レス) @page31 id: 306206b07c (このIDを非表示/違反報告)
こまり(プロフ) - すごく読み応えのある作品で、一気に読み終わりました!更新お待ちしてます。 (2021年8月28日 20時) (レス) id: 92ffc05bff (このIDを非表示/違反報告)
ユウキ - 素敵な作品をありがとうございます。応援しております。 (2021年3月12日 2時) (レス) id: 7c28523323 (このIDを非表示/違反報告)
はい(プロフ) - サナさん» ありがとうございます。これから忙しくなってくるので更新が遅れるかもしれませんが、今後も読んでいただけると幸いです。 (2021年1月2日 1時) (レス) id: 573ffe8b83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はい | 作成日時:2020年12月22日 1時

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