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大丈夫かな、アスカとレイ。
そんな微かな不安を胸に、早足で第三ゲージへと向かう。
現在戦闘に呼びだされたのは私と碇君、そして渚君以外の女子2名。
渚君はまだ正式なパイロットに決まっていないから、そして私の場合は4号機の復元がまだ途中だったからだ。
問題はエヴァも動くし体調も良い碇君。
多分、前回暴走によるトラブルに巻き込まれたからそれを考慮しているのだろう。アスカとレイには申し訳ないけど、私もそれが適作だと思う。
だってまたあんなことにでもなれば、彼は二度と戻ってこないかもしれないから。
(ここが第三ゲージ…)
真っ白いドア。その先へと進むとそこにあったのは大きなモニター。その画面に映し出されるのは使徒と思われる真っ白い物体。
「入ってきなさい」
出入り口付近でぼうとそれを見ていると、突然下から声がかかる。
そっと覗き込めば、そこに腕組みをして立っていたのはミサトさん。
どうやらさっきまでアスカに指示を出していたようで、顔はこちらじゃなくてモニターに向けられていた。
返事をして言われた通りに部屋に入ると、途端にビリビリとした真剣な空気に包まれる。いつもこういう時はエヴァの中だから知らなかったけど、結構緊張するものだな。
どこか遠くでそう思っていると、私の後に続いて碇君と渚君が部屋の中に入ってきた。
廊下を歩いてる時は些細な小突き合いをしてたけど、この真剣な空気に押されたのかもしれない。しばらくは二人で大人しくモニターを見ているだけだった。
「アスカだ」
切り替わった画面を見て、碇君が唐突に呟く。
流れるようにしてモニターに目を向ければ、そこには長距離型のライフルを抱えた2号機の姿。
その銃口は小雨を降らせる雨雲に向いていた。地上から空へ向けて使徒を撃ち抜くらしい。
成功するといいけど…、どこか不安を感じながらも願う。
だってアスカ、最近変だったもの。
調子悪そうだし、それにシンクロ率も減少してるって。
彼女のことだ、何か悩み事でも抱え込んでいるのだろう。早いうちに相談にでも乗っておけば良かっただろうか。
遅いと分かりながらも後悔する。
ただ見ているだけの私が不安になったところで、状況は何も変わらないのに。頭が考えることを辞めないのだ。
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アオウサギ(プロフ) - 更新お待ちしております!!!!!!!ー! (9月7日 17時) (レス) id: 8561e7888e (このIDを非表示/違反報告)
ゆわ(プロフ) - はじめまして。コメント失礼致します!わたしは1年ほど前にエヴァにどハマりし、また、今再熱したので占ツクで小説を探していたところこちらの作品を見つけました。はい様の文章表現やストーリーがとても好きです。続き楽しみにしております! (2023年2月16日 13時) (レス) @page31 id: 306206b07c (このIDを非表示/違反報告)
こまり(プロフ) - すごく読み応えのある作品で、一気に読み終わりました!更新お待ちしてます。 (2021年8月28日 20時) (レス) id: 92ffc05bff (このIDを非表示/違反報告)
ユウキ - 素敵な作品をありがとうございます。応援しております。 (2021年3月12日 2時) (レス) id: 7c28523323 (このIDを非表示/違反報告)
はい(プロフ) - サナさん» ありがとうございます。これから忙しくなってくるので更新が遅れるかもしれませんが、今後も読んでいただけると幸いです。 (2021年1月2日 1時) (レス) id: 573ffe8b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はい | 作成日時:2020年12月22日 1時