"自称" 陰キャは愛されたい

年下幼馴染と再会！ ページ8

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それは、ある平凡な日の放課後。授業が終わり帰宅部エースの私はそそくさと教室を後にして荷物をまとめ、靴箱でローファーに履き替えていた。


「Aちゃん」


どこからか私の名前を呼ぶ声が聞こえて辺りを見回す。…けど誰もいない。え？なに怖すぎる幻聴？私もそんな年になったんだなぁって寂しく思いながら上履きを靴箱に突っ込むと。


「Aちゃんって、」



さっきと同じ声と同時に肩をポンポンと叩かれる感覚。やばい。これは幽霊だ。だって誰もいないんだもん…！


「おい、聞こえて『ぎゃあああああ！！！』


グイッと力を入れて振り向かされたら、そこには人間の姿が。思わず渾身の叫びをお見舞いして恐る恐る目を開けると。


『ッえ？！薫？！？久しぶり！！！！』

「うるさ……耳潰れたかと思った」


片手で耳を抑える薫に「ごめんごめん！だってそんな真後ろに立たなくたっていいじゃん！」と宥める。


「久しぶりの再会がコレかよ…なんも変わってねえな」

『うるさいなぁ。…ていうか薫、カッコよくなったね？！あんなにちびでただのクソガキだったのに！！』


よしよし〜と薫の頭に手を伸ばしてワシャワシャする。って言っても背はもうとっくに抜かされていて、背伸びしなきゃ届かないんだけどね。悔しい。

薫と最後に会ったのは2年前。元々近所に住んでいたから仲が良くて昔よく一緒にサッカーして遊んだりしてた。小学校も中学校も一緒だったんだけど、私が高校に上がってからは全然会ってなくて。

私が高3、彼が高1の今、再会を果たしたってわけだ。薫が同じ高校に進学したっていうのは親を通して知ってたけど、もう私の事なんて忘れたかな〜なんて思ってたから、これはビッグサプライズだ。



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