"自称" 陰キャは愛されたい

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『薫見て！チンアナゴ！』

「……なんかAちゃんに似てるな」

『それ褒めてる？！』


「あ、エイ」

『ほんとだー可愛い』


水色と透明に包まれるこの感じが、すごく綺麗で大好き。私の身長よりずっと高い水槽で自由に泳ぐ魚たち。見ていて飽きないし楽しい。

飼育員さんが投げた魚を器用にキャッチするペンギンやツボの中で息を潜めるタコ。水族館に来るのは久しぶりで、何だか小さい頃に戻ったかのような懐かしい気持ち。


「Aちゃんって、水族館好きだったっけ」

『水族館っていうか、なんかこの神秘的な雰囲気が好きなんだよね。この青っぽい空間が』


水槽を静かに眺めていた薫の視線が私の顔を捉える。何だろうと思って見つめ返すと薫は方目を細めて。


「確かにAちゃん、青似合うよな。…今日の服とか」

『……えっ』


セレストブルーのワンピース、着てきて良かった。恥ずかしくなって分かりやすく視線を外すと。


「ふは(笑)照れてんの分かりやす」

『…女の子なら誰だって嬉しいよ。本気で思ってないなら言っちゃダメだって、何回も言ってるでしょ』

「…俺だって嘘つくほど暇じゃないって」


……まあ、確かに。


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更新滞っていてすみません…"カノジョができた？！"シリーズですが結構長くなりそうです。宜しくお願いします(--;)

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