上上吉の九人九色 (ページ22)

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fk side

fk｢...知ってた？わけ、ないよな｣

iw｢ん、知らねぇよ｣

何が、がなくても伝わるのはいつものこと

今の会話の"何が"に当てはまるのは佐久間のことだ

佐久間の中学ときの連れが阿部だったなんて考えてもなかった

だけど冷静に考えればそんなにおかしい話でもない

俺と照は中学の時はタイマンはる関係だったけど同中でお互いのことはもちろん知ってた

でも佐久間とラウの中学の頃の話なんて別に聞いたこと無かったし聞こうと思ったことも無かった

この近辺の中学でヤンキー

その条件に当てはまるやつがそう何人もゴロゴロいるわけないんだよな

ヤンキー人口そんな多かったら大事だし、自分で言うのもなんだけど、笑

iw｢雪城の奴らはそんなつもりなかったのかもだけど、借り、できちまったな｣

fk｢んぁー、だな｣

助けて貰って、はいありがとうございました、ってわけにもいかない

なんせ対立してる奴らなんだから

そう、対立してる奴ら、だけど、

fk｢佐久間、｣

iw｢、え？｣

fk｢佐久間はいいのかね、今の関係のままで｣

中学時代の連れ

そんな大切な相手と学校のあれこれでぎこちない関係なんて

佐久間はそれでいいのだろうか

iw｢...俺らがどうにかすんの？｣

fk｢いや、ちげぇけどさ、｣

照の言う通り俺らがどうこうする話じゃねぇのは分かってんだけど、

だけど佐久間だけでどうこうできる話でもない気がする

もちろん佐久間がどうしたいのか、それを聞いてみないことには何も動けないんだけど

fk｢今更手組むとか、｣

iw｢でもさ、｣

"有り得ねぇよな"

俺がそう言おうとしたのを察知したのか被せるように言葉を放つ照

じっと目を見つめられて食い入るように言葉の続きを待つ俺

iw｢...あいつらが助けてくれたのは事実だよな｣

そう言って自分で可笑しそうに細く笑いながら首を傾げた

須野高と雪城

......俺たちは紛れもなくライバルなんだ

fk｢...まじ意味わかんねぇ、｣