上上吉の九人九色 (ページ21)

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各々の心中ページ21

wt side

なんであそこで動いたんだろう

須野高の奴らがやられようが俺には関係ないのに

なぜかあの場で走り出してしまった

それにあのあと涼太に言われたんだ

"須野高と俺らが対立してる意味ってなんなんだろうね"

俺はその時に何も言えなかった

知らねぇよ、って思った

ライバルだから、そう思ってこれまでやってきた

俺そういう関係だと敵対心剥き出しにしちゃうから

須野高の奴らのことは好きか嫌いかで言えば嫌いだ

だけどアイツらとする喧嘩は清々しくて誠心誠意ぶつかれる

今まで気づかなかったけどそんな意味で見ると俺はアイツらと向かい合う時がいちばんワクワクしてるかもしれない

それってつまり世間的に見るといい関係なんじゃん？ライバルとしては

wt｢...俺らが須野高と対立してる理由、｣

ライバルと対立って同じ意味なのか、

ライバルって単に対立するだけじゃなくて時には助け合いもできる関係で、

信頼してるからこそいいライバルになれるわけで

俺、喧嘩ごとに関してはアイツらのこと信頼してんのかもしんねぇ、

wt｢...どうしたいんだよ、俺は、｣

今まで当たり前に嫌いだと思ってた感情がごちゃごちゃになって無性にイラついた

・

dt side

翔太のこと悩ませちゃったかな

帰ってる時に俺が言った一言

俺たちと須野高が対立してる意味

今日初めて手を組んだ

っていうか俺たちが一方的に援助しただけなんだけど

その時に感じた

この2校が手を組んだら半端じゃなく強いんだろうな、って

喧嘩においては信頼してる須野高だからこそ安心して目の前のチンピラたちを片付けられた

あれが須野高の奴らじゃなかったらきっと寝返って俺らに矛先を向けだしたらどうしようって少なからず不安に思うはずだ

そもそも助けに動いたかどうかすら分からない

俺たちは今のままでいいんだろうか

考えれば考えるほど分からなくて

考えるのを放棄するかのように目をつぶった