上上吉の九人九色 (ページ13)

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やめよう、考えたって行動する勇気がない自分が嫌になるだけだ

そう思って一歩踏み出した時

sk｢...阿部ちゃん？｣

ab｢っ...佐久間、｣

後ろから聞こえた声に振り返ればそこにいたのは今考えてた佐久間だった

あぁ、なんでよりによって今

sk｢わー、2人で会うの久しぶりじゃんっ｣

口角をあげて近づいてくる佐久間

相変わらず下手だな、愛想笑い

ほんとはちょっと気まずいくせに

ab｢ね、久しぶり笑 ...元気？｣

sk｢元気元気！阿部ちゃんは？｣

ab｢俺も元気｣

あんだけ一緒にいたのにこんなよそよそしい会話してるなんて

中学の頃の俺らが見たら気持ちわりぃ、って腹抱えて笑われそうだな

どうせ帰る方向も同じだからなんとなくそのまま並んで歩く

その間も会話はぎこちなくて

佐久間が時々してくる質問に俺は相槌を打つだけ

もうすぐ佐久間の家に着くってときにぽつりと呟いたんだ

sk｢どうにもなんないのかな、｣

ab｢...え？｣

sk｢俺ら、中学の時みたいになれないのかな｣

薄く笑って言う佐久間の目元はキラキラしていて

胸がグッと詰まるような感じがした

俺だって前みたいになりたい

...だけど今の生活も仲間も大切で大好きなんだ

ab｢昔みたいになれたらいいのにね...｣

sk｢、あべちゃっ、｣

ab｢だけど俺らだけの問題じゃないから｣

佐久間もきっとそんなこと分かってる

望む答えを言えなくてごめんね

ab｢...じゃあね、｣

佐久間の横を通り過ぎれば向かい風が吹いてきた

夕日が沈んで夜の闇が当たりを包み出していた