紅一点生活は大変です。 (ページ26)

今日:18 hit、昨日:29 hit、合計:117,913 hit

26. ページ26

早速トゥシューズを履いた。

トゥシューズは、もう踊らないのに、いつもお守りのようにしてカバンの中に入れていた。

少し硬くなっていたので軽くほぐして慣らして軽いレッスンをした。

｢よし、踊れるよ。いつでもどうぞ｣

ｽﾆｮﾝ｢何がいい？｣

｢何でも。
バレエのバリエーションはなんでも踊れると思う、多分。｣

ｽﾆｮﾝ｢んー……どうしよっかなー。｣

ｽﾝﾁｮﾙ｢おーい、退室時間があと10分に迫ってるぞー。｣

ｽﾆｮﾝ｢あ、スンチョリヒョン。
すみません、ヌナのバレエ見たいんですけど｣

ｽﾝﾁｮﾙ｢え？見る｣

いつの間にか全員集合。

眠そうなジフナとウォヌも見に来た。

｢……じゃあジゼルでお願いします。｣

ｽﾆｮﾝ｢ジゼルね！｣

軽くレベランス(お辞儀)をして袖幕の部分へ移動する。

曲が流れ始めた。

懐かしい曲。

私は最初のパンシェ(片足を後ろにあげた状態からさらに体を倒してあげる技)をした。

おおっ、と歓声が聞こえた、気がした。

後半ではマネージュ(舞台の上を丸く回転しながら進むこと)だ。

ピケターンからシェネ(どちらとも回転技)の連続。

いつの間にか拍手も起こっている。

最後に座り込むポーズ。

何とか踊りきった。

ぱちぱちと大きな拍手が起こる。

私は立ち上がってもう一度お辞儀をした。

ｽﾝｸﾞｧﾝ｢確かTWICEのミナさん？だっけ、その人もバレエやってたんだよね。
凄かったよ、ヌナ。｣

手が痛々しかったけど、という言葉を飲み込んだのはいくらテレパシーのない私でも分かる。

誰でも分かるよ。

まぁ確かに痛かったけど、さ。