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｢……あ、そうか、ジスさんが子供になっちゃったからご飯ないんだ｣
部屋の前にいつも置かれていたご飯がないことに寂しさを覚える。
私はキッチンにいって寝てる子達を起こさないように静かに甘辛チーズキムチ丼を作る。
｢いただきまーす……｣
そのままキッチンで子供たちの寝顔を眺めながら食べる。
なんとも幸せそうだ。
ブラックすぎる保育園に居た時、私は殆ど一睡も出来ずに過ごしていた。
ブラック保育園に入ってきた子達はみんな両親が夜勤でいない子達に溢れていた。
多くは看護師、医者等の医療従事者。
時々自衛隊、消防士、警察、警備員、コンビニエンスストアのパートかアルバイトか店長。
その子たちも預かるのだが毎日当直。
人手が足りないのだ。
その子たちが居なくなったら次の子達。
次の子達が居なくなったらそのまた次の子達…
とにかく忙しかった。
そりゃぁ一睡も出来ずに過ごしていたから倒れるだろう。
疲労と栄養失調が重なった。
それだけだ。
夜も預かってくれるのは親たちにとってはホワイト保育園だろうが働くこちら側としてはブラック保育園に過ぎない。
まぁ給料が十分支給されたから続けていたのだけれど。
給料が十分だがその代わり精神と体力がこれでもかという程に削られた。
寝れた日なんて両手で数えるくらいだ。
……え？
夜の子達は寝てるだけだから楽ちん？
そんな訳ない。
夜泣きはするし職員は寝てる間に資料の整理とか遊具やおもちゃの消毒、イベント準備が待ち受けている。
でもここは特にないから。
それにいちばん面倒な親御さんとの付き合いってもんがないから……
……そういえばあの子たちの親はどうしてるんだろう。
それにジスさんはなんで子供になっちゃったんだ？
……うーん、、もう一度資料に目を通しておこうかな……
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作者名：wzcl | 作成日時：2021年9月7日 7時
