ベビーシッター、始めました (ページ15)

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そーっとエプロンの紐を取り、そーっと脱ぐ。

今日はたまたま保育園の先生が着るような可愛いエプロンではなくシンプルな料理用のエプロンだったのでなんとかいけた。

｢ふう。｣

起こさないよう、そーっと部屋を出てドアを閉めて鍵をした。

かちゃり。

｢はぁ、お腹空いた｣

自分の部屋に向かうと、ドアの前にご飯が置いてあった。

ジスオッパだろう。

ありがたくお盆を持って部屋に入った。

ぽすん

ふかふかの椅子に腰掛けてご飯を食べる。

｢いただきまーす。
ﾊﾟｸん！このハンバーグめっちゃ美味しい～｣

ハート型や星型に成型されたのもあって、楽しかった。

こんなにご飯を食べることで笑ったのはいつぶりだろうか。

当時はインスタントのものしか食べられないくらい忙しかった。

手作り、というのもあるかもしれない。

そういえば今日の夕飯は私担当だ。何を作ろうかな。

｢うーん、子どもは見た目がいいものには食いつくからな。

……ドレスドオムライス、かな。｣

高校時代の得意料理のひとつ。

ドレスドオムライスは中学生の頃から練習し続けて、できるようになったもの。

｢卵、ブロッコリー、人参、じゃがいも、ベーコン、ハム、玉ねぎ、ピーマン、パセリ、ご飯、ケチャップ。コンソメ、ソーセージ、塩、胡椒かな。｣

後で冷蔵庫を覗いて、在庫を確認したら足りないのを買いに行こう。

私は昼ごはんを平らげて、流しに出して洗い、
洗濯物を取り込む作業にかかった。