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ついに捨てられた。暗い空間にただひとり。朝は窓のようなところがあるから、光は入るけど、ずっとご飯すら食べれてない。でも、僕は幸せだ。「ジユウ」だから。僕は「ジユウ」に生きて、勝手に死ぬ。これで誰も「フコウ」にならないし、みんなが「シアワセ」だよね。夜中一人めぐる思考。
でも、ずっと過ごしてきたら、人が来た。
「…ずっとここにいるのですか?」
フードをかぶった、男の人だった。
『ここに人が来るなんて珍しいね。…そう。僕はずっとここに居るよ?これが「シアワセ」だから。』
「…そうですか。ですが、それは間違いですよ?あなたは、人の暖かさを知らない。それは「シアワセ」ではないんです。」
そう言いながら、彼がフードを外す。
『…』
「そうやって現実逃避しないといけないほど、辛かったんでしょう?…僕の前だけでも、素直になって良いですよ。ここでは誰もあなたを否定しません。」
『うっ…あぁ。"ボク"ずっと。辛くて!!』
その日は、僕の過去を聞いてもらいながら、彼の膝で泣いた。
『昔から…昔からある、変な能力のせいで…!ボクだけ仲間はずれにされて…しかも、家族ですらボクを汚い目で見るんだ』
「そうですか…。それは辛かったですね…。
ボクがいますもう、大丈夫ですよ。」
これが偽りの言葉でも…どんなに嘘に固められていても、ボクにとってはとても嬉しい言葉だった。
それから彼はよく来てくれるようになった。
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作者名:りお〜Rio〜 | 作成日時:2020年5月6日 2時