不良と怪談２ (ページ14)

今日:28 hit、昨日:0 hit、合計:12,910 hit

校舎裏の神社３１ページ14

A

「2人とも、一度ベースに戻って来てください」

『分かった』

ウロの判断で間違った事は、基本的にはないし今は戻った方が得策だろう。

「Aちゃん、寒くねぇ？大丈夫かぁ〜？」

『大丈夫です。蘭さんは大丈夫ですか？』

大丈夫〜、とピースをしながら言う彼に少し呆れているとベットの気配が動き出した。

「Aちゃん、あれ...」

気配は白いモヤへと姿を変え、私や蘭さんに近付いてきた。

『！蘭さん...私が合図したらベースまで走ってください。絶対に、後ろは振り向かないで下さい』

「...Aちゃんは？」

こんな時まで人の心配をするのか。
視線だけ隣にいる蘭さんに向けていた、これが間違いだったんだ。

『私なら平気です、蘭さん自分の身を優先し...』

「Aちゃん！！」

名前を呼ばれたと思ったら、何かに包まれたまま壁へ飛ばされた...？

「....」

『は...？』

背中に感じる重みはなんだ...？
視界に入る三つ編みは...？
なんで、蘭さんの姿も声も見えないし聞こえない？

...ベットに居たモヤは消えていた。

『あっ....』

「A！！」

「兄ちゃん！！」

保健室の扉を勢いよく開けて入って来たのは、ウロと竜胆さんだった。

『蘭...さん....？』

「.....」

後ろを見ると壁に勢いよくぶつかったからか、蘭さんは意識を失ってグッたりしていた。