校舎裏の神社13 ページ45
A
「そーと決まれば、さっさと行くぞ〜」
『は?』
腕を掴まれ引っ張られた。
私、結構って断ったはずだが?
「兄ちゃん、ずりぃ」
狡いとは?って思ったが、竜胆さんももう片方の腕を引っ張てるじゃないですか。
『あの、離してくれませんか』
「やーだ♡」
「むり」
『はぁ...』
この兄弟は何を言っても通じない絶対に。
「ほら、ここが自習室だよ〜」
「時間的に誰もいねーな」
『...ここの噂は、どの席でも起きるんですか?』
「一番後ろの窓際の席あるだろ?その席だけらしーよ?」
「...この教室イヤなんだよな」
竜胆さんは、この教室で嫌な思いでもあるのか?
「空き教室でサボってる時に廊下で女達が喋ってたのを、なんか覚えてた♡」
『この席だけですか...』
席を確認すると、確かにこの席に座った人が怖がっているのが視えた。
それより、ここでもサボっていたのか…
『竜胆さん、この席でうたた寝してる時に足を掴まれませんでしたか?』
「えっ!?な、なんで知ってんの!!?」
『ですから、企業秘密です』
「...あ!もしかして、竜胆が先に家に帰ってて布団にくるまってたのって〜♡」
「うわあぁぁ!!兄ちゃん!!!」
「ヒーッ!!!」
うわ...腹を抱えるほど笑われて、流石に竜胆さんが可哀想に見えてくる。
29人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雛乃 | 作成日時:2021年10月28日 17時