メリーさん8 ページ18
エマ
Aさんにウチの携帯を貸して、所長室と書いてある部屋に入り10分ほど経ってからAさんが出てきた。
「Aさん!」
『ん?どうしたの、エマ』
「大丈夫!?なんともない!!?」
Aさんの体をぺたぺた触り、異常がないか調べた。
特に異常とかなさそうでホッとした瞬間、Aさんがトンデモ発言をした。
『エマ、もう帰って大丈夫だよ。
メリーさんはエマから私にターゲットを変えたから。でも、一応は御守りは渡しとくね?』
ウチは口から言葉が出ず、その代わり空気を吸い込んだ音が聞こえた。
言葉を失ったのは、ウチだけじゃなくて他の3人も一緒だった。
「あ...え...?ウチのせい?ウチがAさんに携帯を渡したから....?」
『ううん、違うよ。これは私が勝手にやった事。
研究員として気になるんだよ…
前回の、ひきこさんの時は研究とか出来なかったからこれはリベンジなんだよ』
研究..?Aさんは研究員?
でも、なんの研究員?
『ほら、完全に暗くなる前に皆は帰りな』
「で、でも!」
『...あのね、エマ。酷い言い方するようだけど、今ここに4人がいても迷惑なだけなので、みんな家に帰ってもらえますか』
《っ...》
ウチ達はAさんから正論を言われた。
さっきまで、タメで話してくれていたのに急な敬語を使われ、本当に邪魔だと思った。
Aさんが気になるけど、ウチ達は振り返らず家へと帰った。
もちろん手には、ウロさん特性の御守りを握り締めて。
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作者名:雛乃 | 作成日時:2021年10月28日 17時