スターチス JUMP×In (ページ10)

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おかもと

電車を乗り継ぎ、やっとの思いでついた伊野ちゃんの働く会社はすごく大きくて、最上階まで見ようとすると首が取れそう。

「あの、すいません。岡本と申しますが、営業の伊野尾さんに用事があって来たのですが、」

「あ、はい。今お繋ぎいたしますので少々お待ち頂けますか？」

待っている間、エントランスをウロウロ
『挨拶一番』というあっさりした社訓のようなものに首をかしげる

「岡本様。そちらのエレベーターから6階に行っていただいて、そちらの突き当たりに営業課がございますのでどうぞ。」

え、あ、お弁当届けに来ただけなんだけどな。
行って下さいと言われたので伊野ちゃんにあってから帰ろうとエレベーターのボタンを押した。

「あ、圭人！」

圭人と呼ばれた気がして振り向くとそこには知らない人。

もう一度エレベーターの方へ向き直すと

「なんで無視するの！」

「え、あ。やっぱり俺を呼んでましたか？」

圭人ってあなた以外に誰がいるの？と言いたそうな目を向け、

「あ、伊野ちゃんのとこ行くんでしょ？一緒に行こうか！」
と声をかけた

俺のことを知ってるらしきこの人は俺よりだいぶ小さくて伊野ちゃんの同僚らしい

「いのちゃーんっ、圭人来たよー？」