いつまでも一緒に。 in×hk

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何ヶ月か前の話。







｢けい！なぁ、けいってば！｣









昼休みの時間、本を読んでいる俺の前に岡本涼介が立つ。









りょうは葵とおなじで、中学が一緒。小学校からの腐れ縁。









金髪に近いくらいの髪の毛に高校生になってからほとんどの伸びない小さめな背丈だ。









｢おい！目の前にたってるんだから無視すんなよ。｣









背も伸びず、血の気の多いところも小学生から全く成長していない気がする。









｢.....何、？｣









途端に怒りの表情から、眉毛が下がり、クネクネと体を揺らし出す。









｢けいさ、葵と別れたと思ったら誰かと同棲すんだろ？｣









誰から聞いたんだよ。









｢男だけどな。誰から聞いた？｣









｢んー、けいとからかな？｣









目が斜め上を向いている。明らかにおかしい。









｢俺は言ってないよ｣









静かな落ち着いた声に振り返る。
眼鏡をかけたこいつは岡本圭人。りょうの双子の兄。









顔は似てるが、刺のない性格はりょうとは正反対だ。









｢りょうがけいとの会話を盗み聞きしてた｣









｢俺だって、相談相手になれるのにさ。次は一番先に言えよ！｣









りょうに相談しても解決しないと思う。そう答えるとうるさくなりそうなので適当にうなづく。









｢約束だからな！よし、じゃあ噂の同棲相手見に行こうぜ！｣









同棲じゃなくて、同居な！？









｢いいよ。僕も気になってた。｣









肩を組む双子にため息が出る性格が違っても、こいつらは面白いことに目がない。









｢はぁ。分かった。いいよ。挨拶しょうと思ってたし、｣









嫌々ながらも、少し興味があった。あいつが今、どんな風に成長しているか。









＊＊＊＊＊＊


暮らしていくうちに、ひかるの嬉しそうな顔が見られるのは、俺だけなのかも。と思っていた。









だから、驚いた。









渡り廊下で、高木と楽しそうに歩いている姿を見た時は。









俺は、家にいるひかるしか知らないから。
自分だけに向けられていたと思っていた笑顔が、他にも向けられていた。当たり前のことなのに『俺だけ』と思っていた自分に呆れた。

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