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台所の電気をつけ、机に用意してあった料理やグラスを片付ける。
ここから一番近い大きな病院から家まで、バスで一時間はかかる。
その前に、浮かれた自分が用意したものを無くしてしまいたかった。
下げた歪んだ形のハンバーグを見ると、ぐーっとお腹がなった。
「あはは...。お腹と気持ちは別なのかな、」
ラップを外し、冷たくなったハンバーグを口に入れる。
「....!?ゴホッゴホッ、な、何これ!?」
自分で作ったくせに、あまりの不味さに吐き出しそうになる。
それを必死で抑え、口の中に無理やり詰め込む。
「帰ってこなくてよかった、こんなの食べさせたら説教じゃすまねぇな、、」
けいの分もゴミ箱に捨てようとするが、口もつけてもらえないハンバーグが可哀想で冷蔵庫の一番上にしまった。
「明日の朝こっそり食べよ、」
片付けを終えカウンターを見ると、高木くんが作ってくれたマフィンがちょこんと置かれている。
一口食べるとふわっと甘みが広がった。
「おいしい、」
マフィンの甘さが胸の奥にしみる、
二つ目に手をかけた時、また携帯がなった。
「もしもし..」
『俺、高木だけど。今日、ひかるにおめでとうだけどうしても伝えたくて。
ごめん、分かってるんだ!邪魔してることくらい。じゃあな!!』
「待てよ!」
あまりにも短い電話に慌てて叫んでしまう。
高木くんともっと話をしていたかった。
『え、?伊野尾とお祝いしてるんだろ?...いいの?』
遠慮がちの声につい笑ってしまう。
「うん、、けいが帰ってこれなくなっちゃって」
何でもないように言葉にすると大したことではないような気がする
『なんで帰ってこれなくなったんだ、?大丈夫か?』
声を低くして話す高木くんは、けいに起こってるのかもしれない、
「おう!大丈夫、」
『大丈夫じゃねぇだろ、ひかる..お前泣いてるのに、』
泣いてる?
俺が、?
頬に手を当てると濡れた感触。
そこで初めて俺が泣きながら電話していることに気づいた。
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奏楽(プロフ) - そらあさん» 明日から少し休みなので読んでみます!私の好きな感じなんて、、、ありがたすぎます!これからも応援してます! (2017年8月22日 21時) (レス) id: 1b5fbac763 (このIDを非表示/違反報告)
そらあ(プロフ) - 奏楽さん» いえ全然!!休憩のお供に読んでみて欲しいです!まとまり切ってないのもあるかもしれないですが、少しは楽しんでいただけると思います!奏楽さんの好きな感じになるようにかけるよう頑張ります!! (2017年8月20日 23時) (レス) id: 5bdfc27b82 (このIDを非表示/違反報告)
奏楽(プロフ) - 甘い伊野尾ちゃん、かわいい光いいですね!大変申し訳ないのですが、そらあさんの作品はいつも一緒に。といつまでも一緒に。しか読んだことがないんです。すいません。でもいつも一緒に。大好きです!ピュアな光、ちょっと切ないところとか大好きです! (2017年8月20日 21時) (レス) id: 1b5fbac763 (このIDを非表示/違反報告)
そらあ(プロフ) - 奏楽さん» これから伊野尾ちゃんが甘くなるはずです!かわいいひかるくんも見れるはずです!どこでお話しましょう、他の作品の感想も聞きたいです。 (2017年8月20日 12時) (レス) id: 5bdfc27b82 (このIDを非表示/違反報告)
奏楽(プロフ) - そらあさん» 欲張りですいません笑まあ正直どんな光もかわいくて大好きなんです!私もそらあさんとお話したいです! (2017年8月20日 8時) (レス) id: 1b5fbac763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そらあ | 作成日時:2017年3月18日 16時