969話…姉。 ページ16
「…って、アリスさんはどうしたの？」
アリス「帰ってこられた時、お嬢様が暗い表情をしていたので、気になって…
…お嬢様。」
「な、何？」
アリス「目が腫れています。何かあったのですか？」
「……アリスさん…」
アリスに話すかどうか悩んだが
アリスになら話してもいいだろう、と
一部始終を全て話した。
アリス「そんなことが…」
「なんで皆、私の事忘れちゃってたんだろう…」
アリス「…お嬢様…」
「忘れないよって、約束、したんだけどな…」
話しているうちに、また涙が溢れてきた。
アリス「大丈夫ですよ、お嬢様。」
「…！」
アリスは静かに、優しくAを抱きしめた。
アリス「彼らに何があったのかわかりませんが…いつかきっと、思い出してくれますよ。
それまで私が、貴女様の傍にいますから…そんなに泣かないでください。」
「アリス、さん…」
アリス「大丈夫、大丈夫…」
「う…うぁあああ…！」
Aは、アリスの胸の中でまた泣いた。
幼児の様に泣いた。
それにアリスは、優しく寄り添った。
彼女もまた、その悲しみをよく知る者だった。
全く同じ境遇だった訳では無いが
彼女は大切な人を亡くしてから
大きく歯車が狂い出したのを、よく知っていた。
そのせいで救えなかった人がいた。
それと重ねてなのか
アリスはAを抱きしめていた。
数十分後。
Aは泣き止み、アリスの服を汚してしまったことを謝った。
だがアリスは
アリス「大丈夫ですよこんなの！
冬になったら暖炉の灰を掻き出さなければいけなくて、その時の汚れと比べたら、全く綺麗なものですよ！」
「凄いものと比較してるね…」
アリス「ふふ、アメリカンジョークです。」
「ジョークだったの！？」
そんなふうに、Aを元気づけた。
アリス「それと、お嬢様。」
「何？」
アリス「私の事は、姉と思ってください。
気軽にアリスと呼び捨てで構いません。」
「え、でもそんな…」
アリス「お願いします。」
「……」
その真剣な目に、Aは揺らぎ
ついに了承したのだった。
あの実験さえなければ
世界が絶望することなどなかったのに…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪月 葵(プロフ) - 緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋さん» そんな衝撃なとこありましたかね？(無自覚)ありがとうございます！これからもよろしくお願いしますね(*^^*) (2020年9月12日 22時) (
レス) id: 4a7e7ee4c6 (このIDを非表示/違反報告)
緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋(プロフ) - ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱおいおいおいおい←←←すんません衝撃すぎて頭おかしくなりましたwいやもうホント好きだわこの作品 (2020年8月27日 19時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
雪月 葵(プロフ) - 緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋さん» 最年長なんでね、特別扱いしなきゃ…()是非常連になってください！！w (2020年8月24日 23時) (レス) id: 4a7e7ee4c6 (このIDを非表示/違反報告)
緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋(プロフ) - おっおっオサーム！流石最年長！あ、すんませんこのコメ欄の常連になるかもです((( (2020年8月24日 22時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
雪月 葵(プロフ) - 緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋さん» コメントありがとうございます！のんびりですが更新していきますので、これからもよろしくお願いします(´∀｀*) (2020年8月22日 23時) (レス) id: 4a7e7ee4c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪月 葵 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/862c35d2fa3/
作成日時：2020年8月12日 23時
