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『なんで俺じゃいつもダメなの・・・？』
そうポロリと言葉を吐き出した瞬間、北人の身体が大きく傾いた。
「北人！！！」
俺は咄嗟に支えてベンチへ寝かせる。
横にすると、涙が頬を伝い落ちていく。
「どうしよ・・・。あ、臣さんに、」
臣さんに救護室から来てもらうように頼んだ方がいいんじゃないか。
その考えが思い浮かんだが、登坂広臣とは先日のキス以来話したことは無いし、会ったことも無かった。
とりあえず北人の顔色を見たり、額に手を当てたりして熱は無いかを観察する。
結局、植物園で休むことを決めて北人の頭を自身の膝の上へ。
いわゆる膝枕。
あどけないベビーフェイスが今は眉根を寄せて、どこか思い詰めている顔に見える。
しばらく頭を撫でたり、顔にかかる髪を整えたりして北人が起きるのを待った。
そうしていると、表情が和らいだ気がした。
そして形のいい唇から小さな声が吐き出された。
「いつき・・・」
いつき。
人の名前だろうか。
ここで今朝の伸之くんの言葉が頭に浮かんだ。
『あいつは今でも過去に捕らわれている』
もしかして、北人と"いつき"の間で何か過去にあったのだろうか。
勝手な推測。
だけど、愛おしそうにいつき、と声を零した北人は幸せそうな寝顔をしていた。
「・・・かず、ま・・・？」
「起きた？」
なんで俺、壱馬に膝枕されてるの？
俺はすぐ上体を起こしてベンチに座る形になる。
「・・・ごめん」
「・・・ええよ。・・・あの、北人に聞きたいことあるんやけど・・・」
胸がざわつく。
そして壱馬の口から出た言葉は俺の胸をひどく締め付けた。
「いつき、って誰なん・・・？何かあったん？」
いつき。
藤原樹。
俺が愛した人。
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AiRI(プロフ) - 体調には気おつけて頑張ってくださいね！更新楽しみにしています！ (2020年8月4日 21時) (
レス) id: 5b08b0da4b (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - 頑張ってください\(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2020年8月1日 23時) (レス) id: 73c5786c3d (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - この小説大好きなので、更新待ってます！ (2020年6月30日 7時) (レス) id: 73c5786c3d (このIDを非表示/違反報告)
AiRI(プロフ) - 更新楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2020年6月30日 7時) (レス) id: 5b08b0da4b (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - 勝手にすみません。もうお話更新なさらないんですか？ (2020年6月5日 17時) (レス) id: 73c5786c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいんしゅ | 作成日時：2020年3月1日 15時
