【FGO】私に、色彩をくれた英雄。

借り物。 ページ6

『収束(ｺﾝﾊﾞｰｼﾞ)開始(ｾｯﾄ)…』


無機質な白。色味のない家具が少しだけ置いてあるだけの部屋。


これが私の与えられた自室。


暇とは思わないし不満もない。


寧ろ、１人で魔術の練習が出来るのは有難い事だと思ってる。


今もこうやって、自主鍛錬が出来るのだから。


『追加収束(ﾌﾞｰｽﾄ)…』


体内の魔術回路から指先へ。
更にそれを伝い黒い銃へ。


私の魔術の特性は“収束”。
瞬時に自分の思う所へ魔術を集めるもの。


これだけだと、大したことない初心者魔術。


けれど、私はそれに工夫をしてみた。


魔術を収束するという事は、オルガマリーさんが攻撃手段として用いるガントと似たような原理だと想像がつく。


溜めた魔力を手から放出。けれどそれは撃ってしまえば終わり。


また次を用意しなくてはいけない。


だから私は、武器そのものに(・・・・・・・)魔術を溜めることにした。


傭兵時代に使っていた銃を改造してもらい、魔術向きの構造へ変換。





あとは今私が練習している通り。


自身で生成した魔力を銃に蓄え、戦闘で瞬時に射撃出来るようにする。


上手く行けば、溜めておいた魔力に重ねがけで魔力を注入する事も不可能ではない。


そうすれば、追加射撃するか、単に威力向上に繋げるか……選択の幅が増えていくという寸法。








『……よし。蓄積完了』


自分の体と銃に不具合がないかを確認。


…うん、大丈夫そう。


『あとは、実践あるのみだよね…』


特に戦闘狂ではない私は、オルガマリーさんに直談判までしてレイシフトに参加するつもりは無い。


実際自分は力不足な所が多々あるので、じっくりと鍛錬を積んで、時期が来たら交渉くらいはしようかなと言う考え。


けれども、新しいことが出来るようになったら周りに自慢したくなる子ども宜しく、私も自慢までは行かないけど試してはみたい。


『許可は…まだ出ないね、絶対』


そこは潔く諦めよう。
しつこいのは好ましくない。








それに……




こんな借り物の感情で、一体何を為せるのだろうか。








自嘲を含んだ溜息を吐きそうになったその時＿＿＿





【カルデアの光が消えた】









────

魔術に関しては独自解釈です、思いっ切り。


夢主の魔術に関しては

体内の魔力を銃に装填→敵に向かって発射

と言う何ともありきたり。

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