▶︎終わりの始まり ページ12
ぼやける視界の先で赤色灯が見える。
次第に聞こえてくる音は激しい警告音で、私を夢の世界から直ちに引っ張り出した。
「な、何が起こって・・・・!?」
初めてだ。サイレンが鳴るなんて今まで無かった。
「・・・・いや、覚えてる。鳴ったらまず、?」
自然と体が動く。
手が動く。
足が動く。
私は混乱する。
この記憶は、一体誰の記憶だ・・・・!?
経験したことが無いことは判断のしようがない。
なのに、何故私の体はこんなにも滑らかに動くんだ?
「・・・・・覚えているなら、なんでもいいじゃないか」
緊急用の小さなロッカーからダイナマイトのような爆発物を数個取り出す。
これから何があるかはわからない。だが、胸がざわつく。必要だと警告を鳴らす。まるで未来がわかっているかのように。
「大丈夫、大丈夫・・・・・」
自ら暗示をかけていなければ崩壊してしまう心を抑えつつ、私は赤色灯が一層激しい廊下に出た。
目の前を、今まで見たことがない同僚たちが駆けていく。
「出入り口はあっちか」
私も急いで外に出なければ。
そう思い走り出そうとすると、やけに甘ったるい、食虫植物のようにこちらを溶かそうとしている声が聞こえた。
「せーんせ、俺と鬼ごっこでもしな〜い?」
ひらりと赤いチェックのマフラーが揺れる。にたりと笑うらっだぁは、じゃあ俺が鬼ね!と元気良く叫んで私の目の前から姿を消した。人間にはできないその所業に私は目を見張ったが、やがて大きなため息をついた。
「この際だからやってやろうじゃん」
警報の原因はわからない。だが、一つだけ確実なことがある。彼らが脱走した。真逆そのことで警報が?だとしても私のすべきことは変わらない。
「全く舐められたものだね」
さて、説得といこうじゃないか。
102人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばぐのばく(プロフ) - スマホ依存ゴリラさん» ご指摘ありがとうございます・・・・!すっかり忘れてました・・・・ (10月9日 22時) (レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
スマホ依存ゴリラ(プロフ) - オ.リフラ立ってます....! (10月9日 22時) (レス) @page2 id: 977a8da232 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ばぐのばく | 作成日時:2023年10月9日 14時