とある研究員の資料 2【実況者】 (ページ2)

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「先生、心外やわ！俺がそんな酷い人間に見えてたん？」
「私を思い通りにしようとしてる時点で酷い人間だろう？」

目の前に下げられた紙を半ば取り上げるように奪う。

「私は君に行動を制限される年齢ではない」
「俺は先生が苦しまんようにしてるだけや」

どろりと濁った深緑の目は私を堕とすことで必死。

「なぁ。いつ、私が苦しいなんて言った？」

下から睨めつけるように彼の目を見ると、彼は少し怯む。

「苦しい、とは言うてへんけど･････」

むすっと不機嫌で、少女がするような表情を彼は浮かべる。

「苦労するって、愚痴零してたやん」

以前、少しだけ零したソレを、彼は覚えていたらしい。その記憶力を別のところで活かしてくれ、と心底思う。

「こんな仕事、自ら進んでやりたい奴なんか居ないだろ」
「ま、せやろな」

彼は思っていたよりもあっさりと認める。

「自分が面倒な自覚でもあるのか？」
「ん？無いで？だって俺、単に先生を楽にさせたいだけやもん」
「君って人は全く･････」

貼り付けられた笑みに私は呆れるしかなくなる。

「君の場合、その言葉が本気かどうかわからないんだよ」
「先生、俺の言葉を疑うん？ずぅっと仲良うしとったのに？」

有無を言わせぬ問いかけに、私は深いため息をつく。

「仲良く？一体この会話からどう仲良くがわかるんだ？」
「俺と話すること自体やね」
「別に話ぐらい当たり前だろ」

拍子抜けした声を漏らすと、彼はふっと柔らかな笑みを浮かべる。

「先生は、変わり者やねぇ」

満足するような彼の声に私は何も返せず、ただの沈黙が流れる。その時、ピリリッと軽快な電子音が部屋に広がる。

「あ、先生が来てから三十分経ったわ」

彼は軽やかな足取りでタイマーを止めて、どこからかティーポットとティーカップを取り出す。

「さ、先生！お茶会するめう！」
「楽しそうで何よりだよ、全く･････」

彼が提示した紙を改めて見る。事細かにいつ、何をするかが書かれていて、更には彼自身もその計画に組み込まれていることに心底呆れたため息が出る。彼の思考など、理解なんてしたくないと思うのは普通だろう。

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管理型
一つ一つの行動まで管理している