✧彼から逃げてみた ページ9
重い愛が、耐えられなかった。
___________________
Naさん
「・・・・・にげる、なんて言わないよね?」
彼が居ないところまで逃げようと思った。しかし彼には見抜かれていたらしい。逃げようとしたところを、捕まえられて貴女の腕をぎゅっと掴んでくる。その細い腕のどこからそんな力が出ているのやら。
「ね、逃げるなら選ばせてあげる。俺のそばにずっと居るか、足を切り落とされるか」
いつの間にか彼の手には恐ろしいほど鋭い刃物が。顔からはこれでもかってほど、感情が抜けている。黒く染まる水色の瞳は、どろりと溶けたままにこりと笑う。
___それ、実質選択権無いよね。
Brさん
「僕から、逃げた、?」
彼はそんな事実を信じない。だって、甘える人は彼しか居ないと彼は盲信しているから。彼しか居ないからこそ、一緒に居るのだと思い込んでいる。
「あ、あは、違うよね、僕以外の誰かのところに行くなんて、有り得ない、よね、?」
彼は妄想に逃げ込む。餞別として残していった貴女の荷物に縋って、ずっと待っている。帰ってきたら二度と外になんか出してやらない、という真っ黒な思いを胸に秘めて、涙を流し続ける。
___虚構の夢しか見られないなんて、可哀想だね。
Shkさん
「は?・・・・・馬鹿なことしてんじゃねぇよ」
そう言って彼は貴女の頬をビンタしてくる。貴女は痛みのせいで涙がこぼれる。ハッとした彼は、オロオロとした様子で壊れ物を扱うかのように、貴女を優しく抱きしめた。
「わ、悪かった、ごめん、っ。もう、しないから、だから、っ」
自覚がありながらも、無意識にやってしまう。それが悪いと思っていても、暴力をふるうことを彼はやめられない。それは彼の不器用な愛情表現。今は、ふるふると震えて、貴女にしがみつくように抱きついている。
___殴られるのは嫌だけど、あなたの弱い姿を知っているから離れられない。
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ばぐのばく(プロフ) - 赤い蜂蜜は甘いさん» リクエストありがとうございます!是非書かせていただきます! (2022年8月16日 12時) (レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
赤い蜂蜜は甘い - リクエスト失礼しますね、夢主がなんらかの事故で植物状態になったら、というのを書いてくださると嬉しいです。応援してます (2022年8月16日 12時) (レス) id: 82080fd69f (このIDを非表示/違反報告)
ばぐのばく(プロフ) - まどかさん» そう言って頂けて、とても嬉しいです!ちなみにshkさんの思いは、属性がヒントになってます(ボソッ (2022年8月14日 22時) (レス) id: 33780c91d6 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - リクエスト書いてくださりありがとうございます!すごく良かったです!shkさん、どんな思いを込めたんだろうって気になっちゃいました笑 (2022年8月14日 22時) (レス) id: e1c155a7b9 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐのばく(プロフ) - まどかさん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2022年8月12日 12時) (レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐのばく | 作成日時:2022年7月24日 22時