狂愛を飲み干して【WT】

✧続き ページ48

Kiさん
「ねぇA。今日一緒に居た奴の容姿、素性を詳しく教えて」

そう言う彼の手には刃物が握られている。貴女を安心させるためなのか、彼はどこまでも優しく微笑む。しかし鋭い視線はまっすぐ貴女に向けられている。

「ドッキリ？え？･････え？」

貴女がネタばらしをすると、彼の口からはえ？しか出なくなる。どうやら話が斜め上すぎて理解しきれていないようだ。

＿＿＿あいする気持ちはわかるけど、殺すのはやめようね。









Smさん
「なんで他の奴と一緒に居た訳？？しかも楽しそうでさぁ」

彼は真っ黒な携帯を握りしめたまま、満足げに帰宅する貴女をずっと待っていたようだ。もう一方の手には、赤黒い液体がかすかに付いたカッターが握られている。

「･･････は？浮気ドッキリって、え、じゃあ嘘、ってことだよな、？そう、だよな？」

貴女が嘘を言っているのか、真実を言っているのかわからない彼は、不安げに何度も聞く。不信感が拭えるまで、何度も、何度も、何度も。

＿＿＿もうドッキリしないから許してよ。









Krさん
「神様は、もう、おれなんかいらないの、？」

貴女が帰宅した途端、胸の前で両手を組んで祈るポーズを取る彼。泣いて縋りこそしないが、目の端には涙がこれでもかいうほど溜まっている。

「た、ただのドッキリって････！俺にとってはそんなんじゃなかった！」

珍しく声を荒らげた彼は、貴女に言った言葉を後悔してしまう。そうだよね、神様が俺を捨てる訳ないよね、とどこか心ここにあらずといった状態で呟く彼を、若干恐ろしいと感じる。

＿＿＿可愛いイタズラだと思ったのだけど。

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