◇ただいま ページ22
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「ただいまー……」
時刻はてっぺんを超えて25:00
いつもだったら『おかえり』と出迎えてくれるAの声がない
「さすがに寝てるよな」
リビングのドアを開けると、
ソファーでブランケットに丸まったAがいた
【今から帰るね】
という俺のLINEを既読して、安心して眠くなったのか
俺とのLINEが開きっぱなしのまま、スマホを握りしめて寝ていた
「……こんなところで寝てたら風邪ひく」
帰りがこんな夜遅くになっちゃっても、俺の事『おかえり』って出迎えようとしてくれてたの？
しゃがみこんで、すやすやと眠るAの顔を覗き込む
『……』
「ただいま、A」
ちゅっ……
とリップ音が響くと
Aは、いい夢を見たかのようにふふと微笑んだ
起きる気配は無いけど、さすがにソファで寝させるのは申し訳ないから、ベッドまで運ぼう
「っ、よいしょっ」
『……』
「はあ、あんなに沢山ご飯食べるのにこんなに軽いの、俺心配しちゃうよ？」
『……んぁ、ほ、く？』
「A起きた？」
『ん…おかえり』
「ただいま、遅くなってごめん」
『んーん、寝ちゃってたごめん』
「待っててくれたの？ありがとうね」
『ほくに、いつも「おかえり」って言って貰えるの嬉しいから、わたしもおかえりって言いたくて』
「……はは、俺幸せだな」
『ふふ、わたしも幸せだよ』
ベッドについて、Aを寝かす
俺も眠いし、寝る準備をしようと思って寝室を離れようとすると
『北斗、もうちょっと傍にいて』
と言って、俺の袖を掴むA
「どしたの」
『ん、』
Aから、甘いキスをされた
「っ、珍しい、Aからキスしてくれるなんて」
『えへへ、そうかなあ？』
「そうだよ、嬉しい」
『……じゃあもっかい、』
ちゅ、、
「……なに、興奮させる気？」
『興奮してるの？』
「こんな状況でしないわけないでしょ」
『ふふ、お盛んですね〜…』
俺がぎゅーしてる腕の中で、Aはまた眠りについてしまった
「えーーー……寝ちゃったの？このタイミングで」
消化不良だけど、Aが気持ちよさそうに寝てるならそれでいいや。
ふは、ほんと可愛いなあ。
急いで寝る支度をして、布団に潜り込む
おやすみ、また明日ね
だいすきだよ、A
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作者名：パン粉 | 作成日時：2021年9月2日 1時
