【そらる】明日を迎えられないとしても。【まふまふ】

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｢ん...あれ｣



目が覚めた時は、家でもなく、見覚えのありそうでないところだった。



｢おはよう｣



目の前にはそらるさんがいて、何故か僕の本を読んでいた。





あ、そうか。

打ち合わせに早く来すぎたから、本を読んで待ってたら寝ちゃったんだ...。






｢この本、面白いな｣


｢はい。｣



｢明日が迎えられないとしても。｣と書かれた本。
表紙の絵は、鮮やかで不思議で。


この本は、高校時代から持っていた。







｢今、夢を見たんですよ｣


｢ふぅーん、どんな？｣


｢そらるさんと僕で、最期の“明日”を迎えるお話でした。｣


｢その本の通りだね｣


｢そらるさんは言ってました。

“今だけに全力を尽くすよ”って。

夢の中のそらるさんは、僕と迎えた世界最後の日前日を、楽しく生きてくれました。｣


｢そっか...って夢の話はいいんだよ。新曲の歌詞どうするんだよ...｣




そういって、そらるさんは今までの歌詞がかかれた青いノートを僕に向けてきた。










｢じゃあ...｣



僕は、ボールペンでノートに字を綴った。




｢明日を迎えられないとしても。｣と。









｢世界滅亡の日を迎える、少年少女のお話です。どうでしょう？｣




そらるさんは笑顔を向けて言ってくれた。





｢いいねそれ｣






それは、夢の中のあの日、｢おはよう｣って何も変わらず言ってくれた、あの顔だった。





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