38 ページ38
「北山っ…手紙、書いた。北山の部屋に置いといたから…読んでくれる？」
「…ああ。分かったよっ」
「ねぇ、みんな…聞いてる？」
インカムで話しかける。
「俺…いなくなるけど…消えるけど、大丈夫だよ。ちゃんと…皆が必要としてる○○が戻って
来るから…ダメダメで記憶喪失の俺は消えるから…安心してっ」
皆も、聞いてくれてるよね。
「ありがとう…ダンス教えてくれて。ありがとう…一緒に頑張ってくれて…皆…笑ってね。約束だ
よ……バイバイ…」
痛みがスーッと消えて。
視界が真っ白になる。
自分がいる世界も真っ白で何もない世界。
一人ぼっち。
これでいい。
少し先に、人がいる。
１、２、３、４、５、６……７。
うん。
大丈夫。
皆、揃ってる。
やっぱり、この７人じゃなきゃ。
俺は…消えていい。
誰も…気づかない。
いつか、忘れる。
忘れられる存在。
ﾊﾟﾁｯ。
記憶の無い自分と……皆と一緒にいる記憶ある本来の自分と目が合った。
そして…。
こっちに向かって歩いてくる。
「これから、どうするの？」
話しかけられた。
しかも、自分に。
「どうする……って、消えるしかないよ」
だって…。
俺の存在は、皆を困らせた存在だから。
「消えることない」
……え？
「俺の中に入ればいい」
「でも…」
「一人……寂しいよ？」
そう言われて、泣いてる自分に気づいた。
「一緒に…いていいの？」
「いいよ。だって、頑張ってたじゃん」
「また…皆と一緒に居られる？」
「うん」
「北山を…好きでいていい？」
「あのちび、かっこいいもんね〜」
鏡を見てるような…変な感じ。
「ファンに向けるあのえろい視線、どうにかなんないかな。ムカつくんだよね〜」
自分と会話してる。
「分かる！！ライブＤＶＤの『tonight』とか最悪！汗だくで無駄に流し目でファンを誘ってさ！」
俺もつい、便乗する。
「俺のことえろいとかって言うくせに、自分はどうなのって(笑)」
「そうそう！！」
ああ、皆といたい。
北山といたい。
「…消えないでさ、俺と一緒に…北山独占しようぜ♪」
ウインクしながら、差し伸べられる手。
「一緒にいたい！！」
「うん。だから…おいで」
手を握ると、太陽みたいな眩しさに襲われて、目を閉じる。
体が…意識がふわふわして。
そのまま…身を委ねた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆか(プロフ) - それって どのライブがおすすめ！！？？ (2021年12月17日 9時) (
レス) @page40 id: 067fff2370 (このIDを非表示/違反報告)
kmf2kkrtmm(プロフ) - まゆかさん» これからは２人分愛さなきゃ(笑)大変そうだね。 (2021年12月17日 8時) (レス) id: 77fc09fa45 (このIDを非表示/違反報告)
kmf2kkrtmm(プロフ) - まゆかさん» ごめんね、コメ返し忘れてて苦笑そうね〜、あんまりコロコロ表情変わる人はいないねｗｗだから、皆が彼の虜になっちゃうのかも。えろ宏光見返してみた？( *´艸｀) (2021年12月17日 8時) (レス) @page40 id: 77fc09fa45 (このIDを非表示/違反報告)
まゆか(プロフ) - 1人になった！これからは 2人を愛するのかなー 北山さん (2021年12月17日 5時) (レス) @page40 id: 479294a46e (このIDを非表示/違反報告)
まゆか(プロフ) - 記憶…2人で愛されちゃうなんて北山さん愛されてる。エロ宏光見返してくる(笑)ずーっと色んなジャニメンみてきたけど、あんなに歌によってコロコロ表情かわる人はいなかったな。エロかったり可愛かったり、かっこよかったり女顔だったり、男顔になったりとね。好きやわ (2021年11月8日 4時) (レス) @page38 id: 479294a46e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ともみ
| 作者ホームページ：http://yaplog.jp/kmft2_kitafuji
作成日時：2018年9月24日 20時
