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ポケットに入れていたボイスレコーダーのボタンを押した。
腕を掴んでるのも嫌で、相手の男の手を離す。
トイレに入ると、たいの体が今まで以上に震え出した。
「たい?」
泣きながら、一点を見つめる。
その視線を追うと……個室?
「たい?どうした?俺がいるから大丈夫だよ」
「昨日のこと思い出して、興奮してるんだよね」
相手がしゃべった。
「昨日?」
昨日、何かあったのか?
「トイレに入ったから、隣の個室の上から覗いたんだよ」
上から覗いた…?
「な…っっ」
どれほどの恐怖だっただろう。
「…っ…ぅっ…ぅぇっ」
「立ってしないんだよ。ちゃんと個室便座に座ったから、偉いよね。イメージ通り、綺麗な子だよ」
お前のイメージで生きてるわけじゃないんだよ。
「震えちゃって…また会えたことに興奮してるんだ?」
震えてるのはお前を怖がってるからだよ。
「怖い…怖いっ」
「大丈夫。俺がついてるから」
背中を摩って、あやす。
「可愛いね。こっちおいでよ」
怯えてるのが可愛いなんて、どこまでイカれてんだよ(#^ω^)
「なんで、痴漢したんですか?」
「なんで?綺麗だからだよ。立ち方も顔立ちも体から出てる匂いも…すべてが、俺の好みなんだ。同
性でも関係ない。興奮が止まらないんだ。もっと近くに行きたい。部屋で飼いたいな〜。美味しいご
はん、作って手懐けたい」
キモチワルイ…恐怖しかない。
「手懐けたいって、動物じゃねぇんだよ(#^ω^)」
「さっさと渡してよ。大事に育てるから…譲って」
手を伸ばしてくる。
「ずっと狙ってたんだ…ずっと見てきたんだ。こうして話せるなんて…僕は、運がいい」
面白いこと言うな。
まぁ、ある意味、運が良いのかも。
「今の会話、録音したんで」
「…なっ」
ボイスレコーダーをポケットから取り出して見せる。
「ある意味、運がいいかもな」
携帯で警察に電話した。
項垂れた男を警官が連れ出していく。
ボイスレコーダーを渡すと、連絡先を聞かれて教えた。
静かになって、2人きりになる。
「たい…大丈夫か?」
「帰る…っ、帰るっ、ここはやだっ」
「俺ん家に来るか?」
「…え?」
「お前を一人にできねぇし。帰って…抱きしめてやりたい」
「ひろ…これからも、俺を守ってくれる?」
「ああ。誰にも触らせねぇよ」
「早く…行こ。ひろに…ぎゅ〜ってして欲しい(*ノωノ)」
泣いてるのに、言ってることは可愛い。
俺の心をくすぐる。
「おぉ♪」
たいの手を引いて、トイレを出た。
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kmf2kkrtmm(プロフ) - ヒロロさん» 久しぶりに読み返したらコメ、してなかったね。ごめんね〜(>_<)触らない痴漢…キモチワルイね苦笑耳元で息遣いとかほんと吐き気を催すからw電車は高校時代くらいで、今はあんまり乗らないな〜。乗っても、満員じゃないwwこちらこそ、読んでくれてありがとう♪ (2019年8月12日 9時) (レス) id: 0bbb450268 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロロ(プロフ) - 完結おめでと〜!お疲れ様でしたっ♪いや〜、気持ち悪かったね(´;ω;` )嫌がってるの見て喜んでるとか、THE変・態じゃん。怖いな〜。まぁ、最後は北藤の幸せが見れて嬉しかった〜(*>∀<*)楽しかったよ!ありがとう(*´艸` ) (2018年11月12日 19時) (レス) id: ea60697d88 (このIDを非表示/違反報告)
kmf2kkrtmm(プロフ) - ♪りぃあ♪さん» りぃあ♪さん、まさかの焦らしでごめんなさいね〜。次がひろの見せ場だからwwちかんヤローは蹴散らしてやれ〜( *´艸`) (2018年8月5日 10時) (レス) id: 0bbb450268 (このIDを非表示/違反報告)
kmf2kkrtmm(プロフ) - まほままさん» ひろの見せ場は次からです〜。ひろの勇姿、楽しみにしててね。 (2018年8月5日 10時) (レス) id: 0bbb450268 (このIDを非表示/違反報告)
♪りぃあ♪ - kmf2kkrtmmさん» たい!大好きな最年長が側に今はいるからもう大丈夫。変態なんてすぐに蹴散らしちゃうよ!上から覗くなんてなんて悪質!最年長の見せ場は注目だ! (2018年7月21日 10時) (レス) id: 1c5cf2a2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ともみ | 作者ホームページ:http://yaplog.jp/kmft2_kitafuji
作成日時:2018年6月29日 21時